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『夜久さん、顔……赤いです』
「っ、おい……ちゃんと聞いてたか！？一応心配して言ってんだからな！」
『え、あ、ごめんなさい』
立ち上がって行ってしまいそうな夜久さんに、あの！と声をかければちゃんと止まって聞いてくれる。
相変わらずそっぽを向いたままだけど。
『あの、ありがとうございます。……ちゃんと考えてから決めます』
「……なら、いいよ」
集合ー！！という声に反応して、部員たちが集まり始まる。
「じゃあ、俺いくな」
『はい、部活頑張ってくださいね』
私の呼びかけに軽く頷いて、夜久さんも練習に戻って行った。
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「おいリエーフ……本当に彼女じゃないのか！？」
「違いますよ……それ聞くの何回目ですか！？」
「じゃああの仲睦まじげな態度はなんだこのヤロウ！！」
練習が終わってから、部室で山本や1年らがリエーフに詰め寄っていた。
「お前ら、部室閉めるんだから早く着替えろよ〜」
黒尾が声をかければいそいそと帰宅の準備を始める。
「なぁ夜久、ちゃんと話せたのか？」
そう小声で尋ねてきたのは、休憩中にAのもとまで背を押してきた海だ。
「ん……まぁな」
「そうか。よかったな」
そう答えるとさっさと荷物をまとめ始める。
それだけかよ、なんて。
黒尾がAをマネージャーに誘ったと聞いて、あいつは断れないタイプじゃないけどなんとなく、やりそうだと思ってた。
どうせ俺にはどうこう言う権利なんてないけど、もし今少しでも迷ってるなら俺はAが大変な思いをする必要はないと、思ってるだけだったから。
海には助けられたんだ。
「すみません、お先失礼します！」
やけに機嫌のいいリエーフが我先にと部室を出ていく。
理由はきっとAだ。
今、自信を持ってリエーフを追いかけられたらどれだけ楽なんだろう。
あの雨の日のリエーフみたく、なんの躊躇いもなくAの手を引けたら。
ぐるぐる考えるだけの自分が嫌で汗を吸ったタオルを鞄に押し込んだ。
「俺も、先行く」
少しだけど、今日久しぶりに話せて本音も言えて、俺も近づけたと思っちゃったんだ。
「Aさんのアイコンの猫、なんですか？」
『このコは近所の野良猫なんだ』
実際は俺が1年前から縮めたいと思っていたこの距離を、あいつは3ヶ月やそこらで超えていて。
ぐるぐる同じ場所を回るだけで満足してた、俺を置いて。
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
