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「俺、部活行くけど……きてみる？」
放課後、荷物を持った孤爪くんがそろそろとやってきた。
『……日直の仕事が終わったら、行ってみようかな』
いつも仲良くしてくれている人達の部活がどんな雰囲気なのか、少しだけ気になっている。
(入り口からちょっと覗くだけなら邪魔にならないよね)
準備があるからと先に行った孤爪くんを見送って、私も仕事にとりかかった。
それから少しして、半ばやっつけ仕事になりながら書いた日誌を職員室へ届ける。
正直に言えば、体育館に行くのが楽しみだったから。
蝉の鳴き声と地面が跳ね返した太陽の光を全身に受けながら、早足で体育館への道を進む。
少しずつ大きくなるボールの跳ねる音。
シューズと板の摩擦音。
(ここだ……)
すでに開け放たれているドア。
端からそっと覗き込む。
「ブロック2枚！！」「声出せ声！」
(すごい、熱気だ……)
ドアの境目から先には、別の世界が広がっていた。
本気で部活に励む人々の迫力が、いつか昼休みに黒尾さんたちが言っていた全国という舞台は同じ世界の話なんだと強く訴えかけている。
(もしもマネージャーになればここに……)
あまりに普段とは違う世界をみたものだから体がこわばって、後ずさるのが遅れたんだ。
「じょ、女子がいる……！！」
金色のモヒカンの男の子が声をあげると同時に、全員の視線がこちらへ向く。
思わず、ネズミを見つけた猫みたい、なんてのんきなイメージが頭をよぎって。
「Aちゃんじゃん」
……見つかった。
「え、あれ、なんで……？？」
「あれあれ、リエーフにはまだ言ってないの？……よし、ちょっと休憩にすっか！」
黒尾さんがそう言うと、ネットを挟んでゲームをしていた猫たちはバラバラと散っていく。
猫の一声……なんて考えていると、すぐに知った顔がこちらは駆け寄ってきた。
「しばらくぶり、ですねAさん。今日お昼行けなくてすみません！先生に呼び出しくらってて……体調、もう大丈夫ですか？」
無造作にTシャツで汗を拭う彼を見て、すぐ心臓のリズムが変わったのがわかる。
『あ、うん……よく考えたら連絡先も交換してないもんね。練習、お疲れ様』
「あざす……じゃあ練習終わりとか、待っててもらえますか？今日交換したい、です」
すぐに頷くと、満足そうにガッツポーズを作った彼は最初に声を上げたモヒカンの男の子に名前を呼ばれて手を振りながら体育館の中に戻って行った。
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
