空白の3日間 ページ10
『……ん、』
「あ、起きた？！よかったぁ！」
Aちゃんが目を覚ました。
「だるいとかつらいとかある？」
『…？ないよ、大丈夫
……どうしたの？』
「いや、その…」
僕の様子のおかしさに気づいたAちゃんが心配したように聞いてきた。
これは、言うべきなのかな？
いや、言うべきか。
「…あのね、実は、Aちゃんを家に連れて来た日から3日経っててね」
『…え、3日…？』
Aちゃんは驚いた顔をした。
そりゃあ自分が3日も眠り続けていたなんて言われて驚かない奴なんていないよね
「あの夜、僕は一度リビングに戻ったの覚えてる？」
『…うん』
「あのとき、Aちゃんのスマホが光ってて、すごい数のメッセージが届いてたのが見えて」
『……』
「それで、見るに堪えない言葉に数々に僕が耐えられなくなっちゃって」
あの夜、僕はAちゃんのスマホにメッセージが届いているのに気づいて、その送り主はAちゃんが面倒を見てもらっていたと話す"あの人"だということが直感的にわかった。
見るに堪えない、攻撃的でとことん相手を軽視した言葉の数々、罵倒の数々
今でも思い出すだけではらわた煮えくり返るくらいムカつく。
なんとかしたい気持ちが早って、以前、身体検査をしてもらったときにもらった依存性の極めて低い睡眠薬を眠っているAちゃんに飲ませて、僕がここにいない間、眠っててもらうことにした。
「Aちゃんが寝ている間に全てを終わらせようと思って、Aちゃんには少し眠っててもらうことにしたんだ」
Aちゃんに、ポカーンっとした顔をされた。
「でもね、全部終わったから、安心して」
『……ぜんぶ？』
「うん。
もうAちゃんはあの人と関わらなくていい、もう全部終わったんだ」
Aちゃんが起きないことを確認したあと、警察の方々に連絡して、聞けば身元はすぐに割れた。
朝方、脅 迫罪、暴 行罪などの容疑でそいつを捕えた。
「それとね、Aちゃんが使ってたスマホ、うっかり真っ二つにしちゃったからこれ、使って」
ムカついた勢いで、うっかり真っ二つに壊してしまったので、新しく契約したスマホをAちゃんに渡した
『…あ、りがとう…』
目が覚めてすぐにされた話がこんな話で、混乱してるけど、どこか受け入れて納得してるAちゃん。
そこで僕は、本題をぶつける。
「詳しくはまたあとでちゃんと話すけど、
Aちゃん、ヒーロー免許取らない？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どやちゃん | 作成日時：2024年2月11日 21時
