今日からプロヒーローに飼われます。 (ページ37)

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おんなのこのともだちページ37

僕は何故か、Aちゃんに出会った頃のことを思い出していた。
今でも鮮明に覚えてる。
僕がまだ、4歳だった頃。

「あれ？ぼーる…このへんだったとおもうんだけどな…」

かっちゃんたちとボール遊びをしているときだった。

「あ！それ！」

『……？』

「ひろってくれたの？ありがとう！
それ、ぼくのなんだ！」

『……はい、どうぞ』

「ありがとう！」

かっちゃんが遠くまで飛ばしたボールを拾いに行ったとき、公園から少し離れた場所にAちゃんがいて、ボールを拾ってくれたのか、ボールを抱えて立っていた。

幼いながらにも明確に"可愛い子"だと思った。
その頃は、ただ単純に、珍しい髪の色、声と顔が可愛いという印象しかなかった。

『……あ、』

「ん？どうしたの？」

『……あ、ちょっと、まってて』

「え…？」

『……はい、』

「わ！」

『……ち、でてたよ』

「さっきころんじゃったからかな？えへへ、ありがとう！」

あと、転んで腕から血が出ていた僕に絆創膏を貼ってくれた、すごくいい人という印象。

それが、僕らの初めまして。

それからは、ちょくちょく見かけてたけど、話す機会には恵まれず、やっと話せたのは幼稚園で、またもや僕が怪我をしたときだった。

『…あ、』

「あ！いいひと！」

『…また、けがしてる』

「あ、えへへ…」

『…これ、はったげる』

Aちゃんはとても準備のいい子で、何故かいつも絆創膏を持ってた。

「ありがとう。
まえもこうやってはってくれたよね！
ぼく、みどりやいずく！よろしくね！
いつもたすけてくれてありがとう！」

『…、てんりA。…よろしくね、いずくくん』

"いずくくん"
Aちゃんに名前を呼んでもらえたことがとても嬉しかった。
かっちゃんのせいで、みんなが僕をデクと呼ぶようになって、もうお母さん以外から呼ばれることはないと思っていたから、余計に嬉しかった。

その日から、僕とAちゃんはよく喋るようになった。
かっちゃんにも紹介して、3人で遊んだりもした。

初めてできた、女の子の友達。もう1人の幼馴染み。

「Aちゃん…！」

『ねぇ、びっくりした？』

Aちゃんはイタズラっ子で、毎日毎日僕をからかうしイタズラ仕掛けるし、かっちゃんとは別の意味で困らされた。
無邪気なとこは、すごく可愛かったけど。

『いずくくん、かわいいからすっごく楽しい』

「か…っ！！そ、そんなんで楽しむなよ！！」

中２の夏まで、僕らは一緒にいた。