ずっとそばにいるから笑ってて ページ34
「お待たせAちゃん！！
待ってる間、何もなかった？大丈夫だった？？」
『…うん。
お茶子ちゃんと梅雨ちゃんに会ったよ』
「え！麗日さんと蛙水さん！？」
『…うん。三人でお話してた』
事務所がお世話になってるお得意様に届け物を届けるよう頼まれたけど、そのお得意様はインターン生を嫌う少し厄介な方だったから、Aちゃんには外で待ってもらっていた。
お得意様と会ってるときは、Aちゃんが心配でお得意様の話なんてほぼ聞けてなかったけど、
そっか、あの二人と会ったのか。
ちゃんと会話出来たんだ…！
「そっかぁ…！」
インターンを始めてからのAちゃんは、成長がすごい。
インターン活動の成績も伸びてるし、何よりAちゃん自身がすごく成長してる。
はじめの頃は人に会うとすぐ僕のうしろに隠れてたのに、今じゃちゃんと隣に立って、レスポンスもきっちり出来てて…！！
同い年のはずなのに、Aちゃんに年の差を感じるほどAちゃんはスポンジみたいになんでもすぐ吸収して成長に活かしてる。
……けど、
「Aちゃんはすごいなぁ」
『……え？』
「Aちゃんって、Aちゃん自身に自覚も自信もないからすぐ落ち込んだりしちゃうけど、AちゃんはAちゃんが思ってる以上に出来てるよ」
『…っ』
Aちゃん、ずっと暗い。
僕もね、ずっと出来るようになりたかったからわかるんだ。
「成長する君を見てるのがすごく楽しいし、変わっていく君を感じるのがすごく嬉しい」
追いつきたくても追いつけない気持ちとか。
ほら、僕ずっとかっちゃんに追いつけてないし…。
本当に自分でいいのか不安になったりとかね。
ほら、ワン・フォー・オールの継承者が僕でほんとにいいのか悩んでたこともあったし…。
君の気持ち、すごくわかるよ。
『…いずくくん』
「Aちゃん、Aちゃんは大丈夫だよ、ちゃんと変われてる。
焦らなくていいよ、そのままで大丈夫だから、安心して」
『…なんで、いつも何でもわかるの？』
「わかるよ。」
僕は君をわかりたいんだ。
誰よりもはやく、
君の気持ちに気づきたい。
どんな些細なことだって何だってわかりたい。
「だって、僕 Aちゃんのこと大好きだから」
『……』
「だから、これからもずっと僕のそばにいてね」
『……うん』
あ、やっと笑った。
怖くない、大丈夫、僕がずっと見てるから、僕がずっとそばにいるから、僕のそばでずっと笑ってて
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作者名：どやちゃん | 作成日時：2024年2月11日 21時
