加速した不安 ページ33
「…ケロッ」
「…あ、」
『…あ、』
インターン中、お茶子ちゃんと梅雨ちゃんに会った。
出来れば、A組のみんな、とくにお茶子ちゃんとは会いたくなかったな、いろいろな意味で。
いずくくん関係でとくに。
「久しぶり〜！元気しとった？
そのコスチューム、着てくれとるんやね！」
お茶子ちゃんから話しかけてくれた…。
やっぱりお茶子ちゃん優しい…。
わたしとは、月とすっぽん…。
「とっても嬉しいわ。それに、当時と変わらずよく似合ってて素敵よ」
梅雨ちゃんも、ずっと優しくしてくれた。
雄英にいた頃、授業で溺れかけてたところを何度も助けてくれたし、少しだけ、泳ぎ方とか、水中での身体の動かし方とか、教えてくれた。
『…ひ、久しぶり…コスチュームは、い、いずくくんが持ってて…』
「そういえば、緑谷ちゃんの事務所でインターン中って聞いたわね」
「あ、私もそれ聞いた！轟くんがこの前、Aちゃん見かけたって教えてくれてさ！」
…と、とどろきくん。
雄英にいた頃、いずくくんと一緒にお勉強教えてもらったり、何か悩んだりしてないかとか、いろいろ気づかってくれた。
見かけられてたんだ…気づかなかったな。
「私たち、実は今日お休みで、お茶子ちゃんとショッピングしてたのよ」
「そうそう！普段そういうこと出来んからめっちゃ楽しかったんだ！」
『……だから、2人とも私服だったんだね…』
誰かとショッピング…いいな、わたしした事ない。
お買い物だって、いずくくんが一人でしたがるから、いずくくんとすらしてない。
「それでね！」
お茶子ちゃんと梅雨ちゃんの話を聞きながら、自分の成長具合に不安を感じた。
いずくくんは良い調子だって言ってくれてたけど、それはインターンでの話で、人としては、何も成長出来てないんじゃないかな…？
わたし、変われてないのかな…？
ちょっとでも変われたらな…って思ってたけど、やっぱり無理なのかな？
「今度はAちゃんも一緒にショッピングしましょうね、きっと楽しいわ」
「しようしよう！」
こんな、ダメダメのくせに、
逃げてばっかだったくせに、
ちょっと優しくしてもらえたからってつけあがって、
いずくくんのお母さんとの約束やぶって、
地に足ついてないくせに一丁前にいずくくんと恋人になって、
大口叩いて、
嫌だな…。
「またねAちゃん！」
「インターン、頑張ってね」
『…ありがとう』
……いいのかな、わたしが、いずくくんのそばにいても…
ずっとそばにいるから笑ってて→←いいって言ったのは君だからね？
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作者名：どやちゃん | 作成日時：2024年2月11日 21時
