いいって言ったのは君だからね？ ページ32
インターン中、お昼ご飯を食べるためにいずくくんと事務所に戻って、お昼ご飯を食べていたら、突然いずくくんがわたしをお姫様抱っこの体勢で膝の上に乗せてギューッと抱きしめてきた。
…いくらでもしてていいんだけど、むしろしてて欲しいんだけど、ちょっと、恥ずかしい…。
「…Aちゃん、ごめんね」
申し訳なさそうに謝られたけど、いずくくんがわたしに謝らなきゃいけないことなんてないから戸惑った。
『…なんで謝るの？』
「僕ね、インターン活動に支障が出ないよう、君がヒーローになるまで君に手は出さないって決めてたんだ。
でも我慢出来なくて、君を抱いた」
我慢してたの、はじめて知った
「勝手に我慢してたのは僕だから、Aちゃんは何も悪くないから気にしないでね？」
『…うん』
「それでね、君を抱いてから、君への気持ちが今まで以上に膨らんで…その、我慢出来そうになくて…」
『…我慢？』
「いつでも抱きたいと思っちゃうし、誰かにベタベタ触れられたりするのも嫌だなって思うようになっちゃって…いや、正直なことを言うと今までもそんな気持ちはあったんだ。でも、最近、爆発したように溢れてて…」
"君に迷惑をかけてしまうかもしれないから、ごめん"
いずくくんはそう言った。
わたしは、我慢なんて少しもして欲しくない。
『…我慢、しなくていいよ』
「でも…」
『いずくくんは、支障が出ないかを気にしてるんでしょ？
なら、大丈夫だよ。』
「…え？」
『わたし、ちゃんとプロヒーローになるって決めてるの』
いずくくんがわたしにしてくれた全てに応えるために、
いずくくんがいつでもみんなを守れるように、
わたしはプロヒーローになるの。
『だから、そういうの気にしないで
我慢、して欲しくない。溢れた気持ちとか、全部わたしにぶつけてよ』
「Aちゃん…」
『だから、大丈夫』
「ありがとう
でも、ほんとにいいの？」
『いいよ』
「じゃあ、」
『…っ』
いずくくんに噛みつかれて首筋にピリッとした痛みが走った。
「…ははっ
ここだと襟でも隠しきれないね」
『…何したの？』
「キスマークだよ、知らない？」
噂には聞いたことがあったけど、まさかされる日が来るなんて…
嬉しい、けど恥ずかしい…
「Aちゃんは僕のだって証。
消えたらまたつけてあげるね」
『…ひぇ』
「僕、けっこう重いけど、いいって言ったのは君だからね？」
その後も、何度かキスマークをもらった
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作者名：どやちゃん | 作成日時：2024年2月11日 21時
