煽り煽られ ページ28
「……こんな下着、持ってた？」
なんか、生地が違うような…。
なんか、薄っぺらい感じがする。
『…あ、あっち向いてて』
「え？」
『…いいから！』
「わ、わかった！！」
な、何なんだ？？？
全く見当つかないよぉ〜…
後ろからパサ…ッと服を脱ぐ音が聞こえて、なんか妙に生々しくて恥ずかしくなってきた…！！
ていうか、なんで脱ぐの！？！？
いや、気になったけど、別に脱げとは言ってないよ！？
『……、い、いいよ』
「…し、失礼します…！！」
目の前の絶景に目を疑った。
Aちゃんが、こんな事をするなんて思わなかったから。
「え……っ」
黒の、レース…
…あれ？透けてる…？？
あ、これ、アレだ。いわゆる、エ ロ下着ってやつだ…！！！
Aちゃんがエ ロ下着着てる！！
「…っ、」
どうしてそんな格好してるの？
なんて、聞けない。
だって、答えはわかってるから。
高校生頃の僕なら迷ってたかもしれないけど、もう大人だ。
その行動の意味くらい、考えなくったってわかるさ。
早く何か言ってほしそうなAちゃんの顔を見ると、尚のこと。
「…可愛い格好してるね」
『……、やっぱ想像できない…』
「なにが？」
『…いずくくんが、そういう気になるの…』
"そういう気"というのは、男女間での情事のこと。
ううん、Aちゃん、違うよ。
「…きっと僕、真逆だよ。
君が思ってる何倍も。」
『…え？』
だって、いつも我慢してるんだから
君をヒーローにするまではって決めてからずっと。
拍車がかかって、我慢出来ずにキスしまくったりしてるけど、
「…僕がどれだけ我慢してるか、知らないでしょ」
『……、我慢しなくていいのに』
でも、女の子にここまでさせて断るのも気が引ける。
照れ屋なのに、こんな格好…
Aちゃんだってきっと頑張ったんだろう
……Aちゃんも、ずっとそういうことしたかったんだ
『…煽られてくれる？』
「…煽られていいなら」
『…いいよ、いずくくんなら』
「…君ってほんと可愛い」
『…わたしがいつもいずくくんに煽られてるの、知らなかったでしょ』
「…僕もだよ」
『…お互い様だね』
「…優しくできないよ？」
『…いずくくんの好きにして』
「…君の弱いとこなら知り尽くしてるけど、僕に好きにさせていいの？やめてって泣いたってやめれないよ？」
『…やめないで』
「…言ったね？」
言質、取ったよAちゃん
もう、どうなってもやめてあげない
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作者名：どやちゃん | 作成日時：2024年2月11日 21時
