今日からプロヒーローに飼われます。 (ページ11)

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ヒーロー免許ページ11

『…ヒーロー免許？』

「うん。
Aちゃんの個性を活かしてほしくて」

プロヒーロー免許、
プロのヒーローとして活動するための免許。
取得することで個性を使用してのヒーロー活動、ヒーロー事務所の立ち上げ、プロヒーローのサイドキックとしての活動が出来るようになる、ヒーローに憧れる人なら誰もが欲しい免許。

Aちゃんの個性は戦闘向きじゃない。
だけど、どんな場面においても絶対に欠かせないものになる。

Aちゃんの個性は二つあって、その一つが《転送》。
Aちゃんの視界に映ったものであれば、Aちゃんが認識しているしていないに関わらず人であろうと物であろうと何でも無条件に転送できる個性。

もう一つが《生命操作》
これは、オール･フォー･ワンにもらった個性で、Aちゃん自身、よく思っていない。
けど、Aちゃんの体液に触れれば生命を宿すことが出来たり、逆に奪ったり、操ることが出来る個性。

どちらも強力で、人命救助や他ヒーローのサポート、他にもイベント事やテーマパークなどのパレードやマジックショーなんかの場では唯一無二の力を発揮するはず。

『……どうして？』

「……Aちゃんはもう社会人だけど、社会経験のなさや生い立ち的にも社会的信用や安全性がなくて、警察の方々に更生支援プログラムを受けてもらえないかって言われたんだ」

僕が"あの人"を捕らえ、警察の方々に事情を説明したら、Aちゃんのことも調べてもらえて、後日、Aちゃんのことを教えてもらったときに言われた言葉。
もちろん、最もだと思って否定はしなかった。
けど、断った。
ただし、条件付きで。

「でも、断ったんだ」

『え？』

「Aちゃんの責任は僕が取りたい。
もう他のとこへ行って欲しくない。
だから、条件付きで断ったんだ」

『…条件？』

「うん。
その条件は、プロヒーロー免許取得」

正しく言うと、僕がAちゃんにプロヒーロー免許を取得させること

だけど、そこまで言っちゃうとAちゃんは絶対、迷惑をかけたと落ち込んでしまうから言わないでおいた。

だから、僕がAちゃんをヒーローにして、Aちゃんには社会復帰を頑張ってもらう。

『…でも、インターンとか、試験とか、もう学生じゃないから出来ない』

「…僕の事務所にインターン受けに来る、ってどう？」

『…え？』

正直どうしようか悩んだ。
でも、僕が取得させなきゃいけないなら
僕とインターンさせればいい。