蜂楽 廻の可愛がり日記。

こわいゆめ ページ8

『……めぐ、めぐ…っ』

「……んぇ？…A、どうかしたぁ？
……え？！なんで泣いてんの？大丈夫？怖い夢見た？あ、寝てる…寝ながら泣いてる！俺うるさ…」


Aに呼ばれて目が覚めて、Aを見れば泣きながら寝ててビックリした。

…怖い夢見てるんだね


『…めぐぅ、うぅ…、』

「A、A、」

『……う、…あ。』


泣いてるAを優しく起こした。
ずっと怖い夢見るの嫌でしょ？


「A、俺はここにいるよ？怖くない、怖くない。大丈夫、大丈夫。」

『めぐ…』

「ぎゅーーってしよ？」

『うん』


俺らはいつも、お互いの方向いて手繋いで寝てるけど、怖い夢を見たときはぎゅーーって抱きつきながら寝る


「怖い夢見たときの約束、覚えてる？」



Aは小さい頃からよく怖い夢を見る。
だから、"見た内容をぜーんぶ話すこと"って約束を俺が作った。
言えばスッキリして寝れちゃったり、話してるうちに寝てたりってことってあるでしょ？


『うん』

「じゃ、約束通りやってみよ♪」

『……めぐが、ひとりで遠くに行く夢見た。』

「そっかそっか」

『監獄みたいな場所に行ってた』

「……俺、何かやらかすの？」

『その監獄みたいなとこって、サッカーできる場所でね、強い人とか凄い人とかいっぱいいるとこで、めぐと同じように自分の中にかいぶつを飼ってる人もちらほらいて、めぐすごい楽しそうにしてた』

「それは楽しそう♪」

『でも……めぐ、一人で行っちゃった……やくそく、した…に……』

「……寝れたね、よしよし、ちゃんと言えてえらいえらい♪」


俺が1人で行ったのが嫌だったんだね、ずっと一緒って約束したのに。

確かにAが見た夢に出てきた場所や人たちは気になるし、行ってみたら楽しそうだけど、でもそれは夢の話。
もし正夢になっても、気になって行くだろうけど、Aを置いて行ったりしないよ。

俺はAが俺のこと好いてくれて俺を否定しないからからAのこと好きなわけじゃない。

ちゃんとAの良いとこも悪いとこも、ぜーんぶひっくるめてAが好きだから好きなんだ

ダメって言われて、じゃあ…って離せるような軽さも甘っちょろさもない。
Aは俺の人生に欠かせない子だから。


「俺はAを1人にしないから大丈夫だよ♪」


頭を撫でれば、寝てるのにもっと撫でろってアピールしてくるアホ毛が可愛い。


俺らはニコイチ。
2人でひとつ。

誰にも何にも邪魔させない。

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