蜂楽 廻の可愛がり日記。

めぐるの風邪ひき ページ19

『…めずらしいね、めぐが風邪ひくの。』

「だね。やられたなー…これじゃ何にもできない。全然楽しくない」

『雨を飲んで水分補給しててもおなかこわさないし、真冬に半袖で走り回っててもケロッとしてるし、気分が乗らないからって水泳の授業出たくなくて暑さでやられて腐ってた野菜食べてもピンピンしてた超ド健康優良児のめぐが…』

「いつの話してんのさ」

『めぐが小学生の頃の話』

「俺もう高校生なんだけど、Aちゃん？
はぁ…、変なとこで記憶力いいんだから」

『大事な思い出』



ほんと、何年ぶりかに風邪ひいた。
今まで頭痛とは縁がなかったのに、頭痛を経験することになるなんてなー…。

Aと一緒に住むようになって、
Aと毎日一緒にいれて、
毎日毎日楽しくて嬉しくて、どきどき、ワクワク、フワフワ…いろんな気持ちが溢れて、、
いわゆる、ハメを外しすぎたってやつなのかな？
もしそうなら、しかたないじゃん。
だって毎日Aと一緒にいれるんだよ？
いつも遠くにいて、メールや電話は出来てもあんまり会えなくて。


…くらくらする。頭痛い。
何これ、俺 死 んじゃうのかな？
やだよ。まだAといたい。まだサッカーだってしてたい。Aを置いてどこかに行くとか絶対嫌だ。


『めぐ、大丈夫？さっきより顔色悪いよ？』


やっぱりAって、可愛いよ。ものすごく。

今だって俺の看病ずっとしてくれてる。
少しも離れたりしないで。

小さい手で冷えピタ貼り替えてくれたり。汗拭いてくれたり。俺の好きな歌流してくれたり。アイス枕取り替えてくれたり。

非力で小さいAには、俺の頭は重いはず。
それでも嫌な顔ひとつしないで、楽しそうにやってくれる。

優しいAは可愛い。大好き。


「A、」

『なぁに？』

「移しちゃうかもって言わなかったんだけどさ、」

『うん』

「一緒に寝てほしいな」



移しちゃうかもしれない。
Aが辛いのは嫌だから言わなかった。
でも、Aのことすごくぎゅーーーってしたい。

この頭の痛さも熱も、一気にひいちゃうんじゃないかって気すらする



『いいよ、一緒に寝よ』

「じゃ。こっちきて」

『うん！』


Aがスっととなりへやってきた。
あぁ。Aだ。


風邪ひいたり体調が悪くなると人肌恋しくなるっていうのは本当だった。


Aが来てくれた瞬間、ふわっと身体がラクになって、眠くなった。

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