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「夢…か？これは………」
目を丸くするコワルスキーの隣で、ニュートが切り分けた生肉をサンダーバードーーーフランクに投げ渡す。フランクは器用にそれを嘴でキャッチし、一飲みする。まるで映画のような迫力に、コワルスキーは目を何度も擦ってみたり、頬をつねってみたりしたが眼前の光景は一向に変わらず鮮明なままだった。
「今回ニューヨークに来たのは、フランクを自然に返すためなんだ。僕は、魔法動物を研究しながら、密輸なんかから保護してるんだ」
用意していた餌をすべてやり終えたところで、ニュートは小型の動物たちのための水飲み場を整備していたAを振り返る。
「Aには、その手伝いをしてもらってて……」
Aはニュートに気付かず、じゃれついてくる動物に苦戦していた。無表情の中に見える一生懸命さに、ニュートは思わず笑みがこぼした。
「さて、動物たちを迎えにいかなくちゃ」
＊
その後、３人は深夜のニューヨークへと繰り出し、命からがらニフラーとエルンペントの捕獲に成功した。ニフラーのおかげでとんで来た警察にニュートとコワルスキーが強盗に加えAを連れ去ろうとしている誘拐犯と勘違いされたり、エルンペントにコワルスキーが踏み潰されそうになったりとそれぞれ踏んだり蹴ったりではあったが。
２匹の動物をそれぞれのトランクの中の適した場所に放してから、３人は小屋の中でほっと一息をついた。
「……あの、」
ニュートが入れたお茶を飲んでいた中で、酷く言いにくそうにAが声をあげた。
「………せん、ぱい」
「ん？」
「あ、あの……ええと…」
なかなか言葉が出てこないAを促すかのように、ニュートが優しい笑みを浮かべ首をかしげた。
「……もしかして、お腹すいた？」
訊ねられたAは、否定も肯定もせず「……すみません」と謝り俯く。ニュートには十分すぎる返答だった。
「いいよ、ちょっと待ってて」
おもむろに作業台からナイフを取り出したニュートは、椅子に腰掛け自らのシャツの首元をはだけさせ、太い血管を避けた鎖骨のあたりに切っ先を浅く当てーーーそのまま横に走らせた。
「な、おまっ……」
コワルスキーが呆気にとられ声をあげた。
痛がるそぶりも見せないニュート。椅子に腰掛けたままの彼に、ゆっくりとAが歩み寄る。その姿が、表情が強張りきったコワルスキーの眼前で徐々に変化していった。
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ミコト(プロフ) - 更新大変だと思いますが、続き見たいです!!楽しみにしてます!! (2019年4月6日 11時) (
レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - つづき見たいです (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - こうしんやめたの？ (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
らな - 頂きものページは別で記載していただきたいです。読みにくい (2018年11月26日 0時) (レス) id: ca6b27a01c (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 連載始まった時から読んでいます。１番好きな小説です。更新大変かと思いますが楽しみに待っていますm(*_ _)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 88bfe4bc23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://twitter.com/kome_tsuku
作成日時：2016年12月26日 0時
