検索窓
今日:26 hit、昨日:0 hit、合計:30,144 hit

*** ページ28




年末だから仕事がたくさんあって、そしたら外に出る機会も増えて、家にいる時間も減って。

忙しさを理由にしちゃいけないけど、忙しい中で無理やりクリスマスだけはだいすきなAのためだけの時間を作って。
一緒に過ごすためのプランを、移動とかの短い時間で練って。
最近好みが変わったみたいだから、プレゼントはどうしよう、なんて考えて、相談して。
家に帰ってきたときには、Aはベッドの隅でクッションを抱えて眠っている、なんて生活を繰り返して。

寂しい思いさせてることなんて、知ってた。

一分、一秒でも早く帰りたかった。さみしい思いさせてごめんねって、愛してるよって、起きてるきみを抱きしめて、キスして、恥ずかしがらせたかった。
可愛がるといつも、今にも泣いちゃいそうなくらい目のはしを下げるから、おれはいつだってはらはらして。

あんまり話せないうちに、いろいろ変えてしまって、なんだろう、少し悲しくなったりもしたけど、悪いのはおれだから仕方ない。

香水が少し重ためで甘い香りになったのも知ってる。でも、Aには爽やかな感じのが似合うって思ってしまう。きれいに笑うから、シトラスとかの香りがすごく似合ってて、おれはそっちのほうが好き。

指先を彩るデザインが、前よりすこしお洒落になったのも知ってる。きらきらしてたり、マットだったり、かわいいなぁって思って、実はこっそり写真を撮ってたりする。

よくデートに履いてきてた靴たちがなくなった。玄関に並んでる靴が少なくなったなぁって思ったら、Aの靴が少なくなってた。無理して高いヒール履いて歩かなくてもいいのに、ってよく思ってた。

髪の色が暗くなった。派手なのはかわいいかもしれないけど、大人っぽいのが似合うと思ってるから暗めになったのを見たとき、すごくドキドキした。あーかわいい……って。

最近、ブランドの紙袋がよくあるなぁって思う。Aはあんまり好きなメゾンじゃないから、友達にもらったのか、友達に渡すやつかなぁって感じはしてた。他の子が一緒なら安心できるし、帰ってきてたから大丈夫って思ってた。

ころころ変わってく姿をぜんぶ見ていたいけど、そうもいかないのがつらい。
だから、クリスマスにはたくさん一緒にいようって、そう思って、毎日きみが眠る家に帰った。

毎日、眠って朝まで起きないきみにキスをして、名前を呼んで、髪を撫でる。

でも、今日は、すこし違った。

「……何してるん?」

***→←xxx less【luz】/硝子体



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , クリスマス
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者一同 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年12月25日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。