Christmas Present's！！Ver,B【歌い手コラボ】 (ページ21)

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「お前は贅沢とか言うかもしれないけど。自分はそこまで頑張ってないって、言うかもしれないけど。
　見るだけで幸せになれるような、そんな誰も不幸にしないささやかさが贅沢だったら人生世知辛すぎるだろ」

「お前がどう思ってるか知らないけれど。他の人がどう思ってるか知らないけれど。

　俺から見たら、お前はまだまだ子供だよ。聖夜のプレゼント、大人しく受け取っておきな」

　......ああ、聞こえてたんだ。
　胸のうちに留めておくつもりだった台詞が口から出ていたことに、彼の台詞で気がついた。

　―――そして、思い出した。

　私が駅前のイルミネーションを嫌いな理由。
　彼の落ち着きのある声に感じた、懐かしさ。

　あんなにも警戒していたのに、難なく心を溶かされてしまったこと。
　頑張ってないなんて嘯いた私を見抜いて、言葉で抱き締めてくれたこと。

　繋いだ手の、不思議な感覚。暖かいけれど冷たい、たけど安心する、そんな感覚。

　何より、

『...ほら、俺、今日サンタだから。今日だけは、この景色も空間も一つ一つの星さえも。

　全部、Aのもんでいいよ』

　私はまだ名乗っていないのに。

　私の名前を、知っていたこと。

「......そらる、先輩」

　口から意志を持って零れた、彼の名前は。

　私の目から落ちた涙と一緒に、星屑となった。