【天月】/おかえりの場所 ページ22
***
私の家じゃない、でも第2の我が家と言っても差し支え無いほどの家に入れば、おかえりと言われるからただいまと返して2階の部屋まで駆け込んだ。
「うわっ、何。」
ドアを開ければ漫画を読んでいた天月が肩をビクリと揺らして私を見る。
「何だAか。来るのはいいけど、ノックしてよ。何してるか分かんないんだから。」
「はぁーい。」
毎回言われるけど、毎回忘れたふりしてドアを開ける。
第2の我が家は、幼馴染みの天月の家。おばさんもおかえりなんて言ってくれるほどの馴染みっぷり。
「で?どーしたの。今日デートって言ってたじゃん。」
「うん。」
「…また?」
「またって言わないでよ。」
「これで何回目?何人目?」
呆れたように笑う天月にぐうの音も出ない。ぐぅ…。
「3人…。」
今年に入って、私が付き合って、尚且つフラれた人数。泣きたい。何がダメなんだ。
付き合ってても、フラれても相談するのも愚痴を言うのも相手は天月。1番安心する場所。
「クリスマス、今年は過ごす相手が出来たって言ってたのにな。」
「…仕方ない。今年も天月と過ごす。」
何だかんだと毎年クリスマスも年末年始も過ごすのは天月。今年こそは彼氏と、なんて思ってたのに、クリスマス直前にフラれたし。…私がいなければ、天月も彼女作るんじゃないかな、って。私がいるから迷惑かけてるから彼女作らないのかなって思ってたのに。
「仕方ないから過ごしてあげるよ。」
「はいはい。天月はいつになったら彼女作るの?」
「Aが彼氏作ったら、かな。」
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音溜 - 作者様が豪華すぎる、、!! 生きててよかった、、(^ω^) (2019年12月28日 5時) (レス) id: 826a111be6 (このIDを非表示/違反報告)
人 - 私の大好きな作家さん面白いです…聖夜いいですね! (2019年12月25日 23時) (レス) id: 85e6f3523b (このIDを非表示/違反報告)
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