*** ページ16
.
「 お前、ぬいぐるみとか好き? 」
俺がそう聞けば「 まあ、好きですけど…… 」なんて返してくるA。まあ、Aがぬいぐるみ好きだということは知っていたが。だって、たまに後ろからつけてたし。その時偶然、な。
ちょっとお願いがあるんやけど なんて言えば、不思議そうな顔をしながらもそれを受け入れてくれるA。あーあ、そういう所やで、ほんま。そうやって、他人を疑わへんから、こんな悪い男につけこまれるんやで。
そう、例えば、目の前の俺、とかにな。
「 ……こんなの、貰ってもいいんですか? 」
「 いいからあげたんやん。貰ったやつやねんけど、俺ぬいぐるみとか好きちゃうし。俺よりかは、お前が持ってた方がええやろ 」
「 え、もらったものなら余計私が貰ったらダメなのでは 」
「 俺がいい言うてるからええの!大人しくもらっとけ 」
俺がそういえば、「 ……有難う、ございます 」なんて返してくるA。そんな少し申し訳なさそうにしてる表情も可愛いな、ほんまに。もっと、もっともっと見せて。色んな顔を俺だけに、見せて。
「 はは、いーえ!センラサンタクロースからの贈り物です、なんつって! 」
──────まあそのセンラサンタクロースからの贈り物には、もれなく盗聴器がついていますけどね。
なあ、A。お前の私生活とかも、俺だけが知ってればええやろ?その表情も、声も、私生活も、全部全部全部俺だけが知っていればいい。Aは、俺だけのものだ。たとえ今はそうじゃなかったとしても、いつかはそうなる。
俺だけを見ればいい、俺の元に堕ちてくればいい。大丈夫、魔法の刺で優しくしてあげるから。早く、俺のものになれ。
今年のセンラサンタクロースは君へ、愛と執着を。
来年は、君と俺だけのお城でもあげようか。
.
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
音溜 - 作者様が豪華すぎる、、!! 生きててよかった、、(^ω^) (2019年12月28日 5時) (レス) id: 826a111be6 (このIDを非表示/違反報告)
人 - 私の大好きな作家さん面白いです…聖夜いいですね! (2019年12月25日 23時) (レス) id: 85e6f3523b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ