聖夜の撮影会。【うらたぬき】/白雨 ページ1
パシャ、パシャパシャ
シャッターをきる音だけが響く部屋の中で、私は視線を泳がせた後に、彼に目を向けてもうよくない……?と飽きたことを目で訴えた。
しかし、まだ全然満足していないらしい彼はそんな私を無視した挙句、また私に着替えるようにと要求してくる。
「次はねぇ……じゃーん!サンタコス!可愛くないこれ?Aに似合うと思って即買いしちゃったんだよね」
「う、うん可愛いけど……でも、これで4着目だよ?」
「えー?そんな事言われても、サンタコスの他にももう1着買っちゃったしAが着てくれないと無駄になっちゃうよ」
私の恋人である彼、浦田渉の趣味は写真を撮ること。私は半年ほど前から彼のその趣味に付き合っているのだが……なんだろうか、この、これじゃない感。
最初は写真を撮ることが好きというものだから、てっきり外に出て植物の写真でも撮るのかなとか思ったら急にメイド服のコスプレさせられて即撮影会とか何を血迷ったのかと思ったけど、でも撮影中の彼は凄く楽しそうだし結局はまぁいいか、という甘い結論に至った。
彼氏に甘い私も大概だ。
そしてそれはクリスマスであっても例外ではなく、何ならいつもよりノリノリでコスプレさせられてるような気がしなくもない。
衣装だけではなく小物までちゃんと付けられ、次は2人で寝ているベッドに座ってポーズを取るようにと指示される。
「っはー……ミニスカ最高」
「は、恥ずかしいからそういうこと言わないで……」
「ごめんごめん。じゃあA、そのまま寝っ転がって……そう、それで誘惑するみたいな感じてこっち見て?こぉら、逃げないでレンズ見る!」
「っう、こんな写真撮って誰が得すんのよぉ……」
「俺の欲が満たされる」
「私には黒歴史にしか思えないわ!」
クリスマスだしせっかくだから色々ネットで買っておいたよ、なんてニッコリとした笑顔で言われ、嫌な予感がするからと私は逃げようとしたのに脱がされて着替えさせられてしまったのだ。
1着目は女神だかなんだかのコスプレで2着目は羽が着いた天使のコスプレ。
夕飯を済ませて聖夜だしゆっくり過ごせるかと思いきやまさかの撮影会。
「(でもまぁ……うらたくん、凄く楽しそうだしいっか)」
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音溜 - 作者様が豪華すぎる、、!! 生きててよかった、、(^ω^) (2019年12月28日 5時) (レス) id: 826a111be6 (このIDを非表示/違反報告)
人 - 私の大好きな作家さん面白いです…聖夜いいですね! (2019年12月25日 23時) (レス) id: 85e6f3523b (このIDを非表示/違反報告)
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