Xmas Stories 【虹】 (ページ6)

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藤井流星＿片恋クリスマスページ6

まさか、想像もしていなかった。

「さ、さん…たこす…」

サッカー部のクリスマスパーティーでまさかの、

「サンタコスやから。切るとこ間違えたらタコスになってまうで」

いま目の前で笑っている、好きな人がサンタの格好をしていた。

……待って眩しい。

「藤井１年の癖に遅いぞー」

「リア充かー？」

見つめる時間はほんの数秒。

きっとA先輩を狙っているであろう先輩に絡まられる。

「ねえ部長これなんの罰ゲーム？」

「いや部員の要望が多かったから。、似合っとるでサンタ」

あきとくんと楽しそうに話す先輩をただ見るしかできなくて。

…あれ、さっき俺突っ込まれたよな？

先輩に。

「まあはよ座り」

「は、はい！」

とりあえず席につくと、

「鈴那ちゃんが可愛くて、恥ずかしさが倍増してる」

なんて当たり前のように俺の隣にきて。

…心臓爆発しそう。

「先輩も、可愛いっすよ」

「ふふ。お世辞ありがと」

「お世辞ちゃいますよ？」

「んー、藤井くんに可愛いって言われれば、お世辞でもなんでも嬉しいな」

……あかん。
可愛い。

期待してまう。

「先輩っていま彼氏います、よね…？」

ガヤガヤ煩いなか、
好きな人しか見えてない俺は相当先輩が好きなんやろうな。

「いないよ。ずっと片想い中」

「え、？」

「クリスマス、二人で居たかったんやけどね。…ほらわたしって度胸ないやん？」

誘うことすらできひんかってん。
なんて寂しそうに俯くから、

励まそうと思って、先輩の頭に手を置いた。

「、先輩はかわええ、から。大丈夫、です」

応援したくはないけど、
そんな表情みたら諦めるしか他ない。

「、期待しちゃうよ、そんなことすると」

、え？

上目遣いで唇とんがらせて、
どこか泣きそう。

「なんで藤井くんの隣に来たと思う？」

「……えっと」

「気づいてよアホ」

男子率が高いからかまわりはすっかりテンションがおかしくなっとる。
きっと先輩を見ている人だって多いやろうけど。

「、すきです……」

ギュッと手を握れば

良かった、なんて言う先輩。

「緊張したぁ」

「俺もです」

「ごめんね、不器用な告白で」

「いや気づかん俺が悪かったです」

「カッコつけちゃって」

「ふは、いじらんといてください」

「ふふ」

その笑顔がボクへの最高の贈り物。

fin.