Xmas Stories 【虹】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:48,589 hit

中間淳太＿長距離恋愛ページ2

はじめて会ったのは3年前。

桜がものすごく綺麗な日。

『はじめまして！中間先生！』

無邪気な笑顔で話しかけてくれたキミ。

最初はな、ただの生徒やと思ってたんやで？

でも笑顔やったり友達想いやったり、勉強苦手な癖して俺の英語の授業頑張って受けにきたり。
色んな努力がかわいくて、いつか好きになっていた。

けどほんま好きになってから卒業までが長かった。

「はあはあ、遅くなってすみません、先生」

「走ってこなくてもええのに」

息切れをする彼女。

大きな木の下のベンチに座っていた俺は、
彼女の姿につい笑顔が溢れてしまう。

ああ、もう俺の彼女なんや。って。

「大学忙しそうやな？」

お洒落な服には変わりないが、俺とのデートのためっていう感じはしない。
ということは大学帰り。

「いやぁ、忙しいんですけどね。楽しいです」

くふふって目を細める仕草は学生のときと変わってないのに、
いつの間にか大人っぽくなって。

「大学生のときは楽しむのが一番やからな」

ポン、と頭のうえに手を置けば

「No more 子供扱い」

なんて耳を真っ赤にして俺の手を退ける。

「高校生のときも頭ポンポンしてきて、わたしそれだけで過呼吸になりそうだったんですよ！？」

「ふは。なんやそれ」

「もう好きで好きでしょうがなかったんですってば、あの頃は」

「あの頃はって、今はちゃうん」

イルミネーションのなかを二人でゆっくり歩く。

よく考えてみれば二人だけのクリスマスははじめて。

「今はー、んー、なんだろ。恋人っていう安心感のおかげで、好きでいっぱいになることは少ないのかもなぁ」

「安心感かぁ」

「まあ好きっていうのに変わりはないんですけどね、…ってあれ美味しそ」

脇道に反れとるし。

相変わらずなAにくすりと笑う。

ほんまAとおると笑いジワ増えるわ。

、教え子にも老けましたね。って言われたし……。

「あ、そうだ先生」

「ん？」

「メリークリスマス」

鞄から取りだしたのはプレゼント。

中身はわからんけど、

「ありがとう」

しっかり受け取って、俺からも。

「メリークリスマス。今日、一緒におれて幸せや」

「っん」

キス…とプレゼント。

ふにゃあって笑うその笑顔に
キミと出会えてよかったって心からそう思うんや。

「当たり前も幸せのうちだね、淳太くん」

fin.