少年の感想。 ページ9
炭治郎side
善逸「鬼に、堕ちた柱……」
知らなかった。
今まで一度もそんな話を聞いたことがなかった。
そもそも聲柱も知らない。
鬼に堕ちたって、鬼側に着いたってことか？
柱ってことは、おそらく今の柱の人たちも知ってるはず。
今度聞いてみようかな。
聲柱近江響我……さんか。
Aさんの話の中で悪者扱いだけど。
でも……
違う。
わからないけど。
その、近江さん……？は、Aさんにとって、ずっとずっと大切な人なんだ。
話すときの堪える様な顔を見ていればわかる。
違うんだ。
悪い人じゃないんだ。
『という……お話があるんですよ』
パッと顔をあげて、少し笑って見せた。
『ふふっ……困らせて、しまいました……ね。ごめんなさい』
炭治郎「いえっ、そんなことないです。ただ……」
『？』
炭治郎「近江さんは、Aさんの大好きな人だったんですね」
『っ……』
長いまつ毛かかすかにふるえる。
当たってるんだ。
会ったことあるってことは、そのお話はここ数年のなのかな。
Aさん、なんで、大切な人なはずなのに……そんな辛い顔をするんですか？
……初めて今日会って、俺は何も知らない。
だけど、けど。
炭治郎「大きなお世話だとは思います」
善逸「炭治郎……？」
炭治郎「忘れないでいてください。その人のこと、Aさんしかわからないから」
『……』
炭治郎「大好きなままでいてください」
亡くなった人は、生きている人の中でしか生きられない。
覚えてられるのはその人だけだから。
『……竈門く、……炭治郎くん』
Aさんは優しく目を細めて微笑んだ。
『ありがとう……見ず知らずの人の事を、守ってくださって』
優しい匂いがする。
そんなつもりじゃなかったけれど。
Aさんは俺たちに向いてすわりなおした。
『……これから強い鬼と対峙することがあると思います』
＿＿？
『心が折れることもあります。己の実力を知って、打ちのめされることもあります』
突然の言葉が
『だけど……それでも、自分の想いだけは、誰にも譲らないでください』
驚くほど、すんなり心に広がっていく。
『……私たちの想いを、繋いでください』
＿＿お願いします
頭を下げ、かみしめるように紡いだ言葉。
……俺は、本当に何も知らないけれど。
Aさんが背負っているものは、果てしなく重くて。
けれど、
炭治郎「命に代えても繋ぎます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白狐。(プロフ) - 瑠夢さん» ありがとうございます。大好きって、すごく心に響きます。書いてて良かったなって、この作品を誰かの「大好き」にしてくれて、ありがとう。瑠夢さんの優しいコメントがあるから、もっと頑張れます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2021年2月7日 21時) (
レス) id: 9ce15be352 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夢 - 続編おめでとうございます！私、この作品大好きなんです (2021年2月1日 22時) (レス) id: d3d84c9702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
