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水柱の贈り物。 ページ3

Aside


義勇さんをもう一度強く抱きしめた後、名残惜しくも離れた。


はやくひかりこちゃんや、竈門くんたちのところに戻らないといけない。


急かすような苛立ったような飛雨の視線に苦笑い。


もうちょっとくらい、ご主人様の幸せを待ってくれても良いんじゃない?


冨岡「あぁ……そうだ」


『?』


義勇さんは、なにか思い出したように、羽織の中をごそごそと探り出した。


……?


なんでしょう……。


しばらくして、小さな紙袋を取り出した。


『……これ……』


この表の紋章の柄……有名な小物店の。


なんで。


義勇さんとは、とてもじゃないけど、無関係のような……


それに女性向けのお店ですよ?


……しのぶさんへの贈り物を、確認してほしいかな。


なんで、そんなの……私に頼むのですか?


どす黒い感情をおさえながら、紙袋を丁寧に開いた。


『これは……組紐、ですか?』


紺碧色とあやめ色の、綺麗な組紐が2本入っていた。


すごい……丁寧に、編まれてる……


花のように組んであった。


細いのに、ずっとずっとしっかりしてて。


『しのぶさん……きっと喜びますよ』


しのぶさんの髪に添えたらすごく映える。


ほしいよ。私も……義勇さんに、もらいたかった。


そんな私に……義勇さんはぽかんとした。


冨岡「(なぜそうなるんだ……遠回しに、俺を嫌っているのだろうか)……Aに」


『はい……?』


冨岡「Aに……やろうと」


……


はい?


体が熱くなった。


えっ、、今日……なにが……


なにが、起きた?


大好きって言ってもらえた。


抱き締めてもらえた。


そして……贈り物をもらった。


なんで……?


そんなの、普通じゃ……ありえないです、よね。


だって、義勇さんは、そんなことしない……。


普通の夫婦なら喜ぶだろうことが、私にとって怖かった。


なにかが起きるんじゃないかって。


怖くて……


その紙袋を


『私っ……うけとれな、、……!!』


押し返そうとして、気づいた。


『義勇さん、顔……』


いつものように無表情だって思ってた。


なのに……


頬を紅く染めて、恥ずかしそうにそっぽ向いてた。


少しだけ震える指先が……


『本当に……私に?』


ムスッとして


冨岡「だから、言ってるだろう」


……!!


嘘じゃない。


こんなのズルい。


好きが溢れる。


『もらっても、良いですか……?』


冨岡「そのつもりだ。似合う……だろう」


心が高鳴った。

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白狐。(プロフ) - 瑠夢さん» ありがとうございます。大好きって、すごく心に響きます。書いてて良かったなって、この作品を誰かの「大好き」にしてくれて、ありがとう。瑠夢さんの優しいコメントがあるから、もっと頑張れます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2021年2月7日 21時) (レス) id: 9ce15be352 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夢 - 続編おめでとうございます!私、この作品大好きなんです (2021年2月1日 22時) (レス) id: d3d84c9702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白狐。 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月13日 21時

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