鬼の少年の驚愕。 ページ17
愈史郎side
今日も珠世さまは美しい。
その事実だけで俺はもう満足している。
なぜ綺麗か。
それは珠世さまだからだ。珠世さまだから綺麗なんだ。
珠世「愈史郎、疲れましたか……？手が止まっていますが」
あぁもう透き通っているこの声。
天使。
愈史郎「大丈夫です」
頬が緩んでいることを自覚しながら、作業を続けた。
良い香り……
綺麗すぎる。俺は幸せだ。
あぁこんな日々がずっと続くとどれだけ幸せだろうか。
もう一度珠世さまの横顔を眺めた。
……っ
一瞬。
血気術が揺らいだ。
持っていた器具を机に置いて、目を閉じた。
珠世「愈史郎……？？」
これは……鬼狩りか？
やつら独特の雰囲気が、まとわりついた。
反吐がでる。
血気術で隠しているから、問題はないはず。
よほど……柱でもない限り。
けれど俺は知っている。
願ったときほど、いてほしくない存在があることを。
愈史郎「珠世さまっ！！！！、頭下げてくださいっ……！！！！！」
かつてないほどの大声。
砂煙をあげる建物の崩壊の中、珠世さまにかぶさった。
まずい、まずい。
血気術がバレた。
しかもこの速さ。
異常だ。
間違いなく、柱だ。
こっちの血気術に入ってきやがった……！！
珠世「愈史郎、こっこれは……」
頭を押さえながら起き上がる珠世さま。
まずい、守らないと。
珠世さまだけでも。
愈史郎「鬼殺隊、柱だと思います」
珠世「っ……」
やつはどこだ……
おそらく一人。
砂埃がひどすぎて、見えない。
あたりを見回していたその時。
「発見」
ピリッ
空気を引き締める様な、鋭い声が響いた。
影が見える。
愈史郎「誰だ、貴様は」
影はゆらゆらと近づいてくる。
犬丸「鬼殺隊」
冷や汗がとまらない。
犬丸「感柱。犬丸ひかりこ」
クリアとなった視界に現れたのは……
結んだ髪の毛をなびかせ、俺たちを冷たく見つめる鬼狩りだった。
それだけで、心を抉られているような気がする。
はやく、逃げないと、殺される。
俺が、足止めをしたら。
少なくとも珠世さまだけでも。
かつてないほどに頭をフル回転させる。
そんな俺の後ろで、珠世さまが少しだけ目を見開いていたことはわからなかった。
犬丸「一度だけ聞く」
鬼狩りが、俺たちに話しかけた。
その続きは、
犬丸「珠世という鬼を知っているか」
すべての過去を終わらせるための、欠片だった。
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白狐。(プロフ) - 瑠夢さん» ありがとうございます。大好きって、すごく心に響きます。書いてて良かったなって、この作品を誰かの「大好き」にしてくれて、ありがとう。瑠夢さんの優しいコメントがあるから、もっと頑張れます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2021年2月7日 21時) (
レス) id: 9ce15be352 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夢 - 続編おめでとうございます！私、この作品大好きなんです (2021年2月1日 22時) (レス) id: d3d84c9702 (このIDを非表示/違反報告)
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