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元炎柱の記憶。 ページ15

犬丸side


……


ははっ……


なんかもう、色々ありすぎて驚けなくなった。


犬丸「そうでしたか……」


言われてみたら、なぜ入って1か月もせずに柱になれたのか、理解ができる。


もとからその技術があったから。


才能だけじゃない。


愼寿郎「あいつも身寄りがなかったんだ。だから、殺しの世界に入った」


縁側に腰かける愼寿郎さんの後ろで、ぼんやりと受け入れた。


愼寿郎「そんなあいつに……お館様が声をかけて、鬼殺隊に入隊したんだ」


人を殺すことに執着していたわけでもないから__だと。


犬丸「師範は、本当に……私たちが、邪魔じゃなかったんでしょうか」


ぽつりと、声に出してしまった。


無理矢理せがんで継子にしてもらったこと。


愼寿郎「……あいつ、柱合会議をさぼったことがあった」


犬丸「え?あの、柱合会議を?」


愼寿郎「お前らがいるからだと」


あぁ……


やっぱり迷惑だったんじゃないか。


私のエゴでそばにいたんや。


愼寿郎「……お前らが、大事だからと」


……?


言い直した。


いま、なんて。


愼寿郎「お前たちと一緒にいる時間のほうが、柱合会議などより大事だと」


__俺たちは家族だから


犬丸「ばっか……」


不器用すぎ。


だけど、そんな師範と、3人で過ごした時間は、本物だった。


嘘偽りない。


ありがとう。


もう……


心配いらないね。


犬丸「師範が死ぬときに守った鬼のこと、ご存じですか?」


愼寿郎「……!そこまで、知っていたのか……」


……手記まで見たからなぁ。


愼寿郎「俺も詳しくは知らん、けど……”たまよ”と言ったか」


犬丸「たまよ……??」


新しい情報だ!!


着物の鬼が、たまよ……!


食い気味に詰め寄る。


犬丸「いま、どこに……!」


愼寿郎「浅草……あたりじゃないか」


柱の中の噂なのか、だいぶ曖昧な様子。


けど、本能が告げてる。


間違いない。


そこだ。


かたき討ちがカタチになりつつあることに、鼓動が早くなった気がした。


愼寿郎「お前……近江の敵を討つつもりか」


犬丸「はい。命に代えても、殺します」


揺るがない。


私をみた愼寿郎さんは、どこか切なそうに目を伏せた。


愼寿郎「Aは……元気か」


まるで、A師範が敵討ちに納得しているのか……とでも言いたげに。


そんな想いを遠回しに感じてたのに。


なのに


犬丸「やっぱり私が上弦に勝つなんて無茶かなぁ」


意味のない涙声しかでなかった。

大正コソコソ話。 近江響我の生涯。→←感柱と元炎柱。



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白狐。(プロフ) - 瑠夢さん» ありがとうございます。大好きって、すごく心に響きます。書いてて良かったなって、この作品を誰かの「大好き」にしてくれて、ありがとう。瑠夢さんの優しいコメントがあるから、もっと頑張れます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2021年2月7日 21時) (レス) id: 9ce15be352 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夢 - 続編おめでとうございます!私、この作品大好きなんです (2021年2月1日 22時) (レス) id: d3d84c9702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白狐。 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月13日 21時

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