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水柱の優しさ。 ページ13

冨岡side

いつもこうだ。


会う度、Aはいつも男と一緒にいる。


柱だったときから、異様に好意を寄せられていたのは知っていた。


俺でも知ってる。


今までは……関心がなかった、、ことも否めない。


けれど今は違う。


俺はもう黙らない。


少なくとも名前も知らぬような隠に、Aは譲らない。


後藤「え、あ……あの」


冨岡「俺は……Aを、お前よりも……ずっと前から想っている」


『ふぁっ』


冨岡「俺は、Aの(辛い過去も)すべてを、知った上で……好きになった」


後藤「(えっまって、水柱さまってこんなんだっけ。しかも雨柱さまと険悪だったんじゃ、え??)」


過去をすべて知ってる。


Aが知らない過去も、あの日聲柱が亡くなったときに本当はなにがあったのかもすべて。


聲柱が命にかえても守り抜いた鬼、”珠世”が今も生きていることも。


おそらく……珠世も、、知っているはずだ。


自分を守ってくれた隊士が亡くなったことも、その隊士の2人の継子が敵をとれずじまいなことも。


……その敵なる上弦の鬼の所在も。


冨岡「Aは、俺の妻だ。逢瀬は、俺を通して言え」


無論、無理に決まっているが。


Aを引き寄せて、もう一度言う。


冨岡「Aに手を出すな」


『(っ……恥ずかしい、、義勇さん、そんなこと言わないじゃないですか……)』


腕の中で、Aが恥ずかしそうに頬に手を添えるその姿が、さらに愛おしく思える。


初めて会ったときよりもずっと大人びた。


綺麗だ。


後藤「あッ……失礼シマス(何で俺がフラれてるみたいになってんの!?)」


『あっこれ、だけ……届けていただけませんか?』


慌ててAが俺の腕からすり抜けて、なにかを隠に渡した。


優しい香りが通り過ぎる。


日輪刀か……?


後藤「承知しました」


風の様に過ぎ去っていった。


はやいな……


冨岡「……俺より」


『え……?』


冨岡「俺より、隠の方が……好みだったのか」


途端、慌てて手をバタバタさせた。


『違いますっ……私は、義勇さんのことが……大好きです!!』


冨岡「……!」


照れ隠しに、Aの綺麗な髪を撫でた。


……幸せだ。


鬼のいるこの世界でも、鮮やかに彩るのは、Aがいるから。








俺は、無駄な幸せを願ってしまった。


ヒビは、もう入っていたというのに。


もう手遅れだと。







犬丸が、前炎柱から聲柱の過去を聞いたこと。


”珠世”に出会ったこと。

感柱と元炎柱。→←水柱の早とちり。



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白狐。(プロフ) - 瑠夢さん» ありがとうございます。大好きって、すごく心に響きます。書いてて良かったなって、この作品を誰かの「大好き」にしてくれて、ありがとう。瑠夢さんの優しいコメントがあるから、もっと頑張れます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2021年2月7日 21時) (レス) id: 9ce15be352 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夢 - 続編おめでとうございます!私、この作品大好きなんです (2021年2月1日 22時) (レス) id: d3d84c9702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白狐。 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年1月13日 21時

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