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「殺してやるからさっさと来い。お前らのぬるい球蹴りごっこはここで終わりだ」
「っ、」
殺伐とした表情でそう吐き捨てた凛に、潔は愕然とする。だが──、
「……っ、(面白ぇ、
凛に対する対抗心が自分の中に湧いてくるのを、潔は感じていた。
スコアは1-1で並んだ状態。潔からのキックオフで、試合が再開する。
先程の凛のゴールには驚かされたが、これは3対3の戦いだ。自分達を甘く見たことを後悔させてやる…と。そんな思いを抱いていたのは、何も潔だけではない。潔からのパスを受けた蜂楽も同様だ。
凛を警戒していた蜂楽は、潔を囮にして凪へと高めのパスを放ったのだが──、
「俺、降臨」
身長が190cmある凪よりも高い位置でボールを奪ったのは、長い黒髪をふぁさり…となびかせた蟻生だ。
「…やべ、バレてた……」
「高!?」
自分の行動が読まれていたと分かって、蜂楽は目を見開く。蟻生のジャンプ力の高さに、潔も驚愕の表情を浮かべていた。
こぼれ球の一番近くに居たのはAだ。それを確認して、蟻生はちらりとアイコンタクトを送るとゴール前に走り出す。
『はいはい、そこに寄こせってことだね』
蟻生の意を汲んで、パスを出す……そのほんの一瞬。こちらへと走ってくる蜂楽の姿を視界の端に捉えたAは、バレないようにほんの少しだけ口角を上げた。
『お。ごめん蟻生、邪魔されちゃった』
「そっちいったよ、潔!」
「ナイスカット、蜂楽!」
スライディングしてきた蜂楽の右足が蟻生へのパスを邪魔した事で、ボールは潔がキープする。
背後に立つ蟻生を牽制しつつ、そのままボールを慎重にキープしてから立て直そうと考えていた潔だったが──、
「…なっ!?」
その
「今このフィールド上で一番俺がオシャ確定」
日本人離れした四肢の長さと、並外れたジャンプ力…。蟻生十兵衛もまた、反則級のバケモノだった。
「ごめん!」
「ドントマインド。足長オシャさんもヤバいねー」
潔が謝るのを、蜂楽が「倒しがいがある」と言ってフォローする。その後ろで、凪は拗ねたように口元をバッテンにしていた。
その時だ。
それまで黙って試合を見守っていた凛が──、
「A、遊びは終わりだ」
…と、そんな言葉を告げたのは。
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椿(プロフ) - 乃愛さん» うわぁぁ…!!コメントのお返事を書いたのですが、送れていなかったのに今気づきました…っ!!申し訳ないです😭💦 書きやすいキャラは口調の特徴とかが掴みやすかったりもしますよね(*´ω`)すらすら書けるキャラとそうでないキャラの差が…笑 (2023年4月5日 0時) (レス) id: e70c88c645 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 椿さん» そうですよね!私の場合全員推しなのでその中でも書きやすい人を書いてます() (2023年3月28日 7時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 乃愛さん» やっぱりそうなってしまいますよね…😅キャラによる書きやすさとかもあるんですけど、あとはもう推しかどうか……🥰笑 (2023年3月28日 2時) (レス) id: e70c88c645 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 椿さん» わかります!私も夢小説書いてるんですがなんか同じ人ばっかりだしてます😅 (2023年3月21日 8時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!わぁぁ…そう言っていただけて嬉しいです🙏✨ 最近忙しくて更新が滞ってしまっていますが、今後もニヤついてもらえるようなお話をお届け出来るよう頑張ります!💕 (2023年3月21日 1時) (レス) id: e70c88c645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2023年1月13日 7時