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撮影がギリギリになってしまって
今日投稿する動画を編集していると
携帯にいつぶりかわからない姉からの連絡が届く
両親に変わりはないしさほど緊急の連絡でもないだろうと
たかを括ってとりあえず目の前の編集に没頭する
やっと投稿できた
休みもとらずに守り続けてきた毎日投稿を今日も完遂すると
ようやく一息ついて
放置していた姉からの連絡に目を通す
「久しぶり
突然だけどあって欲しい人がいるから時間作って
今度の日曜
連絡先送るから待ち合わせ場所とかはそっちで連絡とって」
その単調な文章を見てため息をつく
海外に住んでいる姉は今の俺がどれくらいの認知度なのか知らない
その人がどういう人なのかはわからないけど
海外に住んでいる姉にわざわざ連絡をとって会いたいといっている時点で
何かしらで俺たちの活動を知っている人なのはほぼ間違いない
でもあまり連絡を取ることのない姉からわざわざ連絡が来ているということは
よほど押されたのかと思うと
勝手に姉がかわいそうにも思えて仕方がなく了承の返事を打つ
一方的に送られてきた連絡先をひとまず登録して
最悪厄介なファンだったときのことも考えて
捨ててもいいメールアドレスを使う
「はじめましてカンタです
姉から連絡先を教えていただいたのですが
石井Aさんの連絡先で間違い無いでしょうか？」
厄介そうだったらアドレスを捨てて連絡先を消して仕舞えばいい
踏み込むような間柄にならなければ面倒なことにもならないだろう
そう思ってメッセージを送信する
日曜に会うならその日の分のストックを貯めておかなければ
そう考えると気は重くなる一方だが受けてしまったものは仕方がない
トミーに一言断っておいて貯めておいたネタを使って動画を撮っておくか
自室を出てリビングに入るとお決まりの定位置でスマホをいじっている
「今日は夜空いてるの？」
「おう、特に予定は入ってねぇけどなんかあったっけ？」
俺が編集を終えてリビングにくることがよほど珍しく感じたのか
少し驚いたような表情をしている
「いや、ないんだけど今度の日曜出かける予定ができちゃって
トミーがよかったら今のうちに溜め撮りしておきたいんだけどいいかな？」
「珍しいな、まぁいいけど何撮る？」
「うん、緩めの動画にしようとは思ってるんだけど」
「了解、とっとと済ませるか」
そう言ってソファーから立ち上がって撮影部屋に移動してゆく
日曜のことを考えるのは撮影を終えてからにしよう
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作者名：Lsr | 作成日時：2019年10月20日 4時
