すべては愛のせい (ページ9)

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すぐに行かなきゃ、そう思っても

　
布団の中の心地よい気だるさに引き止められる

　

「まだ・・・居ようかな」

　

『・・・あ、そういえば僕もこの後すぐ用事があるんですよ！

　だからAさん気にせず行ってきてください』

　

「そうなの？じゃあ行ってくるね」

　

『はい！行ってらっしゃーい』

　

そう言って私を送り出してくれた

　

　
ソクミンくんはきっと嘘をついている

　
ドアが閉まるときにチラッと見えた悲しげな顔

　
私が気兼ねなく行けるための嘘だ

　
私なんかにどこまで優しくするつもりなんだろう

　

　
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「ごめん、ちょっと遅れちゃった・・・」

　

『ん、行こ』

　

ハニはそう言い私の手を取り歩き出す

　
口数が少ないのもあまり私の方を見ないのもいつもどおり

　

　
違うのは私の心だけ

　
ソクミナの連絡先を消せないのも

　
何も無かったフリをしているのも

　
心が半分動いてしまっている証拠だ

　

　
こんなの最低、それは分かってるけど

　
きっと私はどうやったって元のようには戻れない

　
何となくそんな気がした

　

　

　