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震える体で見上げると
そこには私に傘を傾けてくれている
優しそうな男の人の姿
無理に私を立たせようとはせず
服が濡れるのも構わず
私と目線を合わせてくれる
突然、背中に腕が回り視界が彼で埋め尽くされる
___抱き締められてるんだ、驚きで声も出なかった
『泣いて、良いんですよ
辛いときは泣いてください』
彼のその言葉を待っていたかのように
私の目から水分が溢れ出す
子供のようにしゃくり上げ、すがりつく
私はきっとこういうのを求めていたんだ
久しぶりに流した涙に私は酔っていた
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私は今、さっきの彼・・・ソクミンくんと
近くのビジネスホテルに居る
雨に濡れた身体を温めるためだ
ソクミンくんは見た目どうりの好青年で
私ともすぐに馬が合った
きっと私は浮かれすぎていたと思う
だからこんなことになってしまったのかな
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作者名:しよん | 作成日時:2019年5月22日 23時