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「綺麗・・・」
眼下に広がる夜景に目を奪われる
『・・・そうだな』
上の空で答えるハニ
頂上に近づくにつれて明らかに口数が減っていく
ここでハニから別れを告げられたらどんなに楽だろう
ハニは私の姉を選び、私はソクミナを選ぶ
でも本当にそれで良いのだろうか
私はハニを忘れることが出来るのだろうか
___そして観覧車は頂点へ
その瞬間、ハニの唇と私の唇が重なる
『今まで悲しい思いさせてごめん・・・これからはAのこと
もっと真剣に考えるから・・・素直に言えなくてごめんな・・・』
もう遅いよハニ、何で今言うの?
私が二人を見る前、ソクミナに出会う前に言ってくれたら
きっと元に戻れたのに、手遅れだよ
「仕事が忙しいならしょうがないよ
昨日も残業だったんでしょ?」
『あぁ・・・』
そう、嘘つくんだ・・・
「そういえば最近お姉ちゃんにも
会ってないな、仕事忙しいみたい」
『そう・・・なんだ
お前ら本当に仲良かったもんな・・・』
何でそんな辛そうな顔するの?
私に罪悪感を感じてるってこと?
それってすごくずるい
忘れたいものも忘れられないじゃない
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作者名:しよん | 作成日時:2019年5月22日 23時