琥珀の瞳＜男主＞ (ページ3)

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第1夜ページ3

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「目ェ覚めたか」

A「………、アレっ？」

…夢だったんだ。とAは安心した。
天井に伸ばしていた手を降ろし、声の主を見る。

ーーー神田だ。

A「(そういえば、神田との任務の帰り際、目眩して倒れたんだっけ。) …あ、その、神田、ごめんね迷惑かけちゃって。」

Aが、へへ、と申し訳無さそうに笑うと、神田は呆れた様子でAの眼鏡をポケットから取り出しそれを渡した。

A「あ！神田が持ってくれてたんだ、ありがとう」

神田「ああ」

神田は素っ気なく返事を返すとガタッと立ち上がりAの自室を後にしようとして、ドアノブに手を掛けた。

Aは神田を見送ろうと姿を追っていたが、動きが止まったので怪訝な目を向ける。

すると神田は振り返り、Aの顔をじっと見つめる。

A「か、神田？なん…」

神田「お前、寝てねえだろ」

A「…へ？」

急に図星をつかれ、情けない声が出てしまった。
それにしても、なんで今？

A「なんで分かったの？」

参ったなあと後ろ頭をかく。
神田は溜息をついてこう言った。

神田「…あのなあ、嫌でもわかんだよ。今のうちに寝とけ。」

バタン

そう吐き捨てて部屋を出ていってしまった。

A「そんなに疲れ顔に出てるのかなあ…」

正直、神田の言った通り寝ていない。
最近、何故か悪い夢ばかり見てしまうので、それが怖くて寝れないのだ。

あの夢をみると、寂しくて、怖くて、苦しくて、耐えられずにすぐに目が覚めてしまう。

それからというもののショートスリーパーになってしまった。本当はぐっすり朝まで寝たいのだが。

A「(こんなんじゃ駄目だなあ…)」

今回は神田の言う事を聞こう。
布団を被り、目を閉じた。
そのときは何故か、悪夢を見ることは無かった。

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