優しい先輩 4 (ページ20)

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ケーキを可愛くラッピングしてくれた店長に
丁寧にお礼をするミンソク先輩。
ホールやキッチンみんなにも1人1人に頭を下げて
ミンソク先輩のこういう所すごく好き。

店長は今日はお祝いだから
お金はいらないとまで言ってくれた。

店を後にして
少し歩いた所でミンソク先輩と手を繋ぐ。

MS「みんないい人だね」

『はい！』

MS「…ギョンスが
Aのこと好きなんて事ないよね？」

『ないない！！絶対ないです。
ミンソク先輩もあの不敵な笑み見たでしょ？
からかわれたんですよ』

MS「ギョンスがライバルになったら…
なかなか怖いな」

『あはは。ミンソク先輩、真に受けすぎですよ』

MS「もし、ギョンスがAのこと好きって言ったらAどうする？」

『だから～ないですって！』

未だに納得してない様な表情のミンソク先輩の手を
さっきより少し力を込めて握る。

『私はミンソク先輩が好きなんです。
それにギョンス君は私達のキューピッドですよ』

ミンソク先輩は少し考える素振りをした後に
「そっか」と納得した様な顔をした。

MS「ところで、店長さんに上がらせてもらって予定よりちょっと時間早いけどどうする？」

時計を見るとまだ18時。
本当は21時までのバイトの予定でその後ミンソク先輩が迎えに来てくれる予定だったから少し早く一緒にいられるようにはなったけど。

『でも、ケーキもあるし。まだお腹も空かないですよね。それに、この荷物持って行けるところないか』

ミンソク先輩の手にはバイトの前に一度家に帰って着替えを詰めてきた私のバッグ。
私の手にはさっきカフェでもらったケーキもある。

MS「じゃあちょっと早いけど家行こっか。Aがいいなら…」

私がいいならって…なんか…それじゃまるで…。
ミンソク先輩の言葉になぜかすごく意識してしまって
すぐに返事が出来ずに俯く。
ミンソク先輩が何も答えない私に気づくと急に慌てた様子になる。

MS「っちが！！そういう意味じゃなくて！行きたいところないならって事で…」

『分かってます！大丈夫！！ごめんなさい！！』

ミンソク先輩が玄関のドアを開けるとチリリンと鈴を鳴らしたタンがお出迎えしてくれる。

『タニー！会いたかったー！！』

MS「着替えてくるからリビング座ってて～」

『はーい。お邪魔しまーす』

リビングのソファに座るとなんだかドキドキしてくる。私はタンを膝に乗せてミンソク先輩を待つ。