優しい先輩 4 (ページ17)

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Aがあの子の背中を押して
俺たちの席に歩いてくる。

AM「どうも。アンバーです」

「キム・ミンソクです。
あと、友達のルハンとアヨン」

我ながら無愛想な挨拶だと思う。
でも今は笑顔で挨拶するなんてちょっと無理。

『ミンソク先輩には前に話しましたよね？
アンバーは家も近くで、さっき会ったクリスさんと同じアメリカンスクールに通ってるんです』

それって女の子じゃなかったんだ。
じゃあ男の子と一緒に帰ろうとしてたって事？

AM「私もAからずっとミンソク先輩の話聞かされてたんで会えて嬉しいです。
ゆっくりしてくださいね、じゃ失礼します」

礼儀正しく席を離れていったけど
なんだろう。今の違和感…。
同じ違和感をルハンとアヨンも感じたようで
アヨンが意を決した様子で口を開く。

AY「Aちゃん。…あのアンバーって子。
もしかして…女の子…？」

『はい。ボーイッシュですけど。
腕とかもいっぱいタトゥー入ってるんですけどそれが自分を持ってる感じでかっこよくて』

LH「…ミンソガは女の子にヤキモチ焼いてたんだ」

AY「馬鹿な男だねぇ～」

MS「お前らマジで帰れよ」

『ミンソク先輩はエスプレッソでいいですか？』

MS「うん」

AY「ルハンはアメリカーノだよね？
あと、私はカフェラテで」

『はーい。お待ちください』

いつもと違ってちょっと高い位置でポニーテールにしてるAも、にこにこ接客してるAも可愛くて仕方ない。

LH「ミンソガって
Aの事見るときそういう顔するよな」

AY「やっぱ私達お邪魔だったね。
私達は飲んだら帰るわ」

Aが笑顔でやってきて俺の前にコトンと置かれた
のはカップにはハートが描かれていた。

AY「わぁ！ハートだ。かわいい～」

『ミンソク先輩にどうしても飲んで欲しくて練習したんです。アヨン先輩のは店長が描いた鹿ですよ』

AY「あ、鹿晗だから！！ありがとう～」

LH「ミンソガ、見てないで飲んでやれよ」

MS「…やだ。もったいない」

LH「お前、Aの事になるとキャラ崩壊しすぎ」

Aが期待したキラキラな目で見てる。
もったいないけど飲むしかないか…。
カップに口をつけてなるべく形が崩れないように
そっと口に含む。

MS「うまい」

『よかったぁー』

安堵の表情を見せるA。
ここが店じゃなかったら…
俺、Aのこと思いっきり抱きしめてるよ。
早く帰って2人になりたいくらい。