月に願いを ページ34
ジニさんと話が終わって帰ってきたのは0時過ぎ
案の定、家の中は真っ暗でみんな寝ている。
そのまま部屋に入る気にも慣れなくて月明かりに誘われるようにリビングを抜け窓を開けた
ふわりと風が揺れて肌寒さに少し身震いをする
あの暑い日が嘘のように季節は秋になる準備をしていて、時の早さをふと感じた。
「…」
丸い月は星が見えないくらいに輝いていて綺麗だ
縁側に腰掛けて空を見上げる。吸い込まれるくらいに魅了されているといきなり背中に重みと温かさ、回された腕に驚いて肩を揺らし一瞬息が止まる
誰。そんな疑問も横目で確認する前からシャンプーの匂いと、あの部屋のいい香りで気づいた
「…A、ちゃん？」
名前を呼ぶと更に強く抱きしめられてドキリとする
背中に感じる柔らかい感触と肩にかかる息と重み、頬に感じる柔らかな髪。
意識がそっちにいかないようにそっと背中に間を開けると1度落ち着かせるために強く目をつぶった
「…Aちゃん」
『…』
「このまま、少しだけでいいから話し聞いてくれる？」
ゆっくりと頭が頷く
触れる髪の毛がくすぐったくて愛おしい
「あんな酷いことしておいて自分勝手なことだってわかってる」
我儘でごめん。
「でも、待っててほしんだ」
俺から離れていかないで
「ちゃんと…ちゃんと話すから」
全てが終わったら
「だからもう少し待っててほしい」
ちゃんと伝えるから
「それと」
本当は抱きしめたかった。
けどまた怖がらせたら嫌だって気持ちが強くて、驚かせないようにそっと頭に手を置いてゆっくりと撫でる
サラサラと指先をすり抜ける髪の毛が凄く心地いい
ねぇ、俺も大好きだよ。
「凄くズルい事言うけど…」
『…』
「俺のこと嫌いにならないで」
Aちゃんが勢いよく顔を上げて撫でていた左手を引っ込める
後ろから感じる真っ直ぐな視線、振り向いて目を合わせて名前を呼びたい。でも今はこんな顔見られたくないからジッと前を見つめる
ポタリと肩に落ちた涙のしずく
またAちゃんを泣かせてしまった
「…」
『…っ』
「もぅ寝よう、体冷えちゃうから」
嫌だと言うようにAちゃんがTシャツを握り締める手を優しく離す
指先を絡めるだけでもうこんなにも溢れだしそうな気持ちが苦しい
「行って…風邪ひくかもしれない」
『…』
離れていく隙間に冷たい空気が背中を撫でる。
遠ざかる足音を聞きながら再び綺麗に輝く月を見上げ瞼を閉じた
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min(プロフ) - ▽まいたろさん コメントありがとうございます！悲しいまで言ってくれて…(;_;)幸せです またしうちゃんと出会えるよう妄想フル回転します！笑 (2015年8月8日 17時) (
レス) id: e86157425c (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - ▽めぐさん コメントありがとうございます！番外編、続編やっぱりあたしも書きたいです 笑 ぜひ更新した時はまた会いにきてやってください＼(^o^)／ (2015年8月8日 17時) (レス) id: e86157425c (このIDを非表示/違反報告)
まいたろ(プロフ) - 毎日更新楽しみにして読んでました…>_<… ストロベリーホームのしうちゃんが大好き過ぎて終わってしまったのが悲しいです〜！またどこかでストロベリーホームのしうちゃんと出会えるのを待ってます (2015年8月7日 23時) (レス) id: df7fbf0703 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ストロベリーホームお疲れ様でした！毎回キュンキュンさしていただいてたのに初コメですみません。もう、ミンソクペンの私は毎回ワクドキして読ませていただきました！もし、番外編として続編があったらとっても嬉しいです！完結お疲れ様でした！ (2015年8月7日 22時) (レス) id: 36387df3c5 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - minさん» こちらこそ、毎回コメントして迷惑かけてなかったですかね？私もとても楽しかったです。新作も楽しみに待ってますね！素敵な癒やしをありがとございましたm(_ _;)m (2015年8月7日 19時) (レス) id: 9f516f8dbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：min | 作成日時：2015年7月2日 11時
