ストロベリーホーム 2

ネコとヒツジ ページ7

いくつかの露店を見ながら射的のお店が目に留まる
撃ち落とす商品の中にとても不細工で不格好なネコの人形があった。人形と言ってもそんなに大きくない鞄に付けれそうなくらい
だけど前を進むみんなとミンソク君に手を引かれそのままお店が遠ざかって行く


「ちょっと休憩しない？」

「チャニョル買いすぎだよ」

「へへっ」

「ちょっと行きたいとこあるんだけどいい？」

「うん、ここにいるよ」

「行こうAちゃん」

『え？あたし？』


ミンソク君に手を引かれたままたどり着いた先はさっきあたしが気になった射的のお店だった


「さっきなにか気になったでしょ」

『…なんで分かったの？』

「少し立ち止まったの分かったから」


にっこり笑ったミンソク君はお店のおじさんにお金を渡すと、どれが欲しいの？と射的用の銃の先に弾となるクッションを入れる


『取ってくれるの？』

「うん、外さなければ。どれ？」

『あの…一番上にあるネコ』

「よし！」


ミンソク君がネコに向けて銃口を向ける
狙いを定められたネコが落とされてたまるかと身構えるように見えた。…不細工なのに
パンッと音が鳴りネコの頭に弾が当たって少し動く


『あぁっ惜しい！』

「お兄ちゃんあと2回」

「絶対取る！」


またミンソク君が狙いを定めた
緊張してきて思わず胸の前で手を組み祈るとパンッと2回目の音が鳴る。
再びネコに当たったものの隣に居た同じような不細工で不格好なヒツジが倒れるのを防いだ


「あーっ！」

『あのヒツジが邪魔した！』

「でもあれ一緒に倒せばいいよな、ヒツジいらない？」

『いるいる！頑張ってミンソク君』


1回深呼吸をしてミンソク君が腕を捲り構えた
狙いは2匹…頑張ってミンソク君
最後の音が鳴り2匹の真ん中に弾が当たる


『お、落ちた！落ちた！キャーッ』

「よっしゃ！」

『ミンソク君ー！』

「おめでとう、はい」


おじさんからネコとヒツジを貰う。掌に乗った2匹はやっぱり不細工で不格好、落とされて不貞腐れてる


『本当にありがとうミンソク君！』

「はぁー緊張した」

『本当嬉しい！』

「それだけ喜んでくれるならやって良かったよ」

『あ、ミンソク君』

「ん？」

『良かったらこれ一つあげる』

「え？いいの？」

『うん！記念に、せっかく二つあるし』

ミンソク君にヒツジを渡す

「ありがとう」

『帰ったら鞄に付けよ』

「…俺も付けようかな」

『お揃いだね』


掌でネコとヒツジが不細工な顔で2人を見つめた

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