ストロベリーホーム 2

小さな一言 ページ47

「おーヒョンいたいた」


ドアの開いた音に振り向く
現れたチャニョルは大きく伸びをすると俺に寄りかかって寝てるAちゃんを見て笑った


「寝てんじゃん」

「うん…後はよろしくな」

「えっいいの？」

「いいのって俺まだ仕事だし」

「今日は早く上がらせてもらえないんだ」

「この前は特別だって。そうえばイーシンは？」

「また寝てるーって言ってるけど、1人で歩いてけるから大丈夫」

「あはは、そっかなら大丈夫だな」

「ヌナどうやって行く？」

「とりあえず裏口までおぶる」

「わかった」


顔にかかった髪の毛を耳にかける
寝顔を見ながらどうしても唇に目がいってしまう自分に恥ずかしくなった


「チャニョル、Aちゃん乗せて」

「了解〜」


Aちゃんの座る前に屈むと背中に柔らかい重みが乗っかる。
腕と足に力を入れると一気に立ち上がった


「よいしょ」

「大丈夫？」

「うん、やっぱ軽い」

「…ヒョン、なんか俺」

「ん？」

「愛を感じる」

「…」


なんて恥ずかしい言葉をサラリと言うんだコイツは
だんだん顔が熱くなってくる


「…そりゃまぁ、」

「好きだからかー」

「そうゆうことだよ」

「ふーん、いいなぁー」


1度Aちゃんの体勢を戻すとゆっくり階段を降りて裏口に向かうと待ちくたびれたようにみんなが待っていた


「オンニ寝てるじゃん」

「本当だぐっすり」


ゆっくりしゃがんでチャニョルにAちゃんを立たしてもらうと、どうやら目を覚ましたのかチャニョルの'' 起きた”の声が背後から聞こえた


「オンニおはよ〜」

『んー』

「おぶるの大丈夫そうね」

「ちぇ！」

「残念チャニョル〜」


今すぐにでも寝てしまいそうなAちゃんは眠そうな目を俺に向けるとそのまま抱きついてきた


「えっ！」

「ヒッ！ヌナ！」

「ミンソクと離れたくないんだって」

『ん〜』


…嬉しいけど困る。
それに耳元でその声は本当に生き地獄だからやめて


「ヒョン耳赤い」

「っAちゃん帰らないと！」

「ほら〜帰るよヌナ〜」


イーシンに引き離されてまだまだ暑い夏なのに少し人肌恋しくなる。


「気をつけてな」

「ヒョンも頑張って」

「おー」


みんなが歩いていく中Aちゃんだけが振り向いてジュリとチャニョルに両腕を持たれながら小さく手を振る。
それに応えるように手を振って口を開いた

好きだよ。

ひっそりと誰にも聞こえない
もちろん眠気まなこなAちゃんにも分かりはしない

ムーンナイト→←好きだからキスしたい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す