ストロベリーホーム 2

夏の終わり ページ42

ガヤガヤ賑わう店の中
腕を組んで仁王立ちしてるミンソク君は口をへの字に曲げている


「だーかーら、なんで俺の仕事中くるわけ？」

「だってミンソクがいるから一石二鳥じゃん」

「俺仕事だってば！」

「まぁまぁヒョン落ち着いて」

「俺だって一緒に食べたいって！」

「今日早く上がれないの？」

「今日は忙しんだよ…」


仁王立ちしたまま頭がガクッと下がる姿が可愛くて笑ってることがバレないように口元を手で覆う
自分だけみんなとご飯が食べれないのが嫌らしい


「もう来ちゃったんだからしょうがない」

「…で今回はなんのお祝い？」

「さよなら夏また来年会」

「は？」

「ヨンジオンニ本当ネーミングセンスね」

「いい感じでしょ」

「どこが」

「ヒョンご飯ービールー」

「はいはい」

「ここの店員なってないんですけどー！」

『ふふっ』


次々と料理が運ばれテーブルを埋め尽くす
ビールを片手に”夏お疲れ様！”と叫んでゴンッとジョッキの音を鳴らした


「ヌナ今日は飲んでも良いけど酔っ払うのはやめてよ？」

『うっ、分かってる』

「でもオンニずっとニコニコしてて可愛かった」

「僕も見たかったな〜」

「イーシンオッパ、今日は起きてるのに寝てるーとか言うのやめてよね」

「え〜？」

「はい、お待たせ」

「ヒョンさんきゅー」


立ち上がって行こうとしたミンソク君を止めて持っていたグラスを持たせると不思議そうにあたしを見た


「ん？」

『ミンソク君、夏お疲れ様』


コンッとグラスをぶつけ合うとミンソク君の顔がたちまち笑顔になる


「お疲れ様」

『一緒に食べれないの残念だけど…』

「まぁ確かに。でも今のでチャラでいいや」

「ミンソクー」

「呼ばれたから行くね」

『頑張ってね』

「おう！」


持っていた水を一気に飲み干したミンソク君は口を拭うと仕事に戻って行った


『…』

「ヌナ？どうした？」


飲んで空になったグラスを見つめる。
これあたしの飲みかけの水…


『間接…』

「え？」

『ううん、なんでもない』


ドキドキが止まらなくてジョッキを握りしめるとビールを喉に流し込んだ


「おー！いい呑みっぷり！」

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