ストロベリーホーム 2

甘い心拍数 ページ40

ミンソク君の匂いと暖かさが胸をキュンとさせて、あぁ好きだなって気持ちが溢れ出しそうになる


「…Aちゃんこれだけは約束して」

『ん？』

「もうアイツには会わないって」

『…うん』


頷くとミンソク君の抱きしめる腕が強くなった
少し苦しいけど離してほしくない。そう思ったら空いていた自分の両手がミンソク君の背中にぎこちなく触れる


「…あぁ、もう」


首に顔を埋め恥ずかしそうな声が耳をくすぐってクスクス笑うとさらに力が強くなった


『ミンソク君、苦しい』

「…」

『んーっ！あっ、そうだミンソク君ちょっと』

「…」

『見せたいのあるの、ねぇ』


さっきからカサカサと鳴る袋の音
涙が引っ込んだあたしはそれを見せたくて仕方ない
背中に回した手も離してミンソク君に声をかけてるのに変わらず抱きしめられてる。


『ミンソク君ー見てよー』

「…見なきゃダメ？」

『うん、絶対ビックリする』


渋々といった感じに離れたミンソク君は少しムスッとしながら目の前に差し出した袋を見る


「良いものでも買った？」

『うん！良いものだけど、買ったんじゃなくて取ったかな』

「取った？」

『ジャジャーン！』


効果音と共に袋から出したネコとヒツジ
ミンソク君は目と口を大きく開けウォー！なんだこれー！と予想通りの反応をした


『UFOキャッチャーにあったの！』

「まじで？デカくなってもやっぱ不細工だな」

『ふふっ、ネコはすぐ取れたんだけどヒツジが中々苦戦して…でも取れたの！』

「あ、案外気持ち良い」


ネコのクッションをフニフニしながらミンソク君は表から裏上から下まで360度回して感触を確かめてる


『これ他にも犬とウサギもいたんだ』

「それも不細工そう…」

『うん不細工だった〜あ、ねぇ今度ネコがミンソク君であたしヒツジ貰っていい？』

「くれんの？」

『もちろん！その為に取ったようなもんだもん』

「へへっじゃあもらう」

『家に帰ったら渡すね』


2匹を袋に戻すとタイミングよくミンソク君のお腹がグゥーと鳴った


「あ」

『あっご飯まだだった…？』

「うん、でも帰ったらジュリが作ったカレーがある」

『じゃあ早く帰ろう』


ん、と差し出されたミンソク君の手にキョトンと立ち止まる。
しばらく見つめ合った後恥ずかしくなったのかミンソク君はあたしの手を掴むと振り返ることもせず歩き出した
初めてデートした時やお祭りの時とは違う雰囲気に頬が緩みっぱなしだ

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