ストロベリーホーム 2

泣いたのは君のせい ページ39

人混みのを避け駅を通り過ぎ、どれだけ歩いたのか分からない
こんな所にも静かな場所なんてあるんだと足を止め周りを見渡した。ブランコにすべり台…
ずっと前だけを見ていたミンソク君が振り返った。


「泣くな！」

『…っ』

「Aちゃんの気持ちも分かる、でもアイツの事で泣くのはもうやめろ」

『ミンソク君…』

「あんな奴の為に泣くな」


ミンソク君の言葉に違う違うと頭を振る
あたしはそれで泣いてるんじゃない


『違うの…っ違う、あたし』

「…」

『ミンソク君が来てくれたことが…嬉しくて』

「…俺？」

『まさかっ…来るなんて…っ』

「会いたいってメールくれたのAちゃんでしょ？」


そう、そうなんだ。
テウン君がお手洗いに行った時、あたしがミンソク君にメールをした。会いたいって…
本当に来てくれるなんて思いもしなかった。家で会えるじゃんって思うと思ってた。なのに


『だって…』

「会いたいなんて言われたら会いに行くよ」

『…っ』

「でも場所だけは教えて。今回ルーハンがAちゃん見たから分かったけど」

『ルーハンさんが？』

「名前呼んだけど気づかなかったって」


じゃああの時呼ばれた気がしたのは本当に呼ばれてたんだ


「…Aちゃん」

『…』

「泣いてるのは俺が来たから？」

『…うん、来てくれたことが嬉しくて』


テウン君の事は確かにショックだったし酷いと思ってる。あたしの人を信用しすぎるとこも
でもそれよりミンソク君が来てくれた事がそれに勝るくらい嬉しかった


「嬉しくて泣いてるのは、俺も嬉しいけど…俺は笑ってるAちゃんが好きだからもう泣かないで」

『…っ』


微笑んだミンソク君に溢れ出す涙はなんなんだろう
繋いでいる手もさっきの痛みは消えてとても優しい
俯くあたしにミンソク君が覗き込むと空いている左手で頬に落ちる涙を拭った


『…ミンソク君っ』

「ん？」

『ごめんなさい…』

「うん」

『ありがとう』


顔を上げてミンソク君を見て笑う
一瞬だけ目を見開いたミンソク君はフッと柔らかく笑うとそのままあたしを抱きしめた

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