ストロベリーホーム 2

会いたくて恋しい人 ページ36

両脇に抱えたネコとヒツジにニンマリする
鞄に付いてるのと同じ不細工で不恰好な2匹がこんなに大きくなってあたしのそばに居ることが嬉しい


「良かったね、取れて」

『うん！』

「その鞄のは買ったの？」

『これはお祭りの射的屋さんにあったの』

「へぇー」

『これ商品化したのかなぁ』

「かもしれないね、この不細工さが可愛いってゆうか」

『だよね！ブサ可愛！』


ミンソク君ビックリするだろうな〜！
なにこれって笑ってくれて…あっそうだ今度はあたしがヒツジ貰ってミンソク君はネコにしよう


「Aさんよっぽどそれ欲しかったんだね」

『え？』

「凄い嬉しそう」

『…』

「可愛い」


笑ったのはテウン君なのにミンソク君の顔が浮かぶ
そうえばこうやってテウン君と出掛けてるはずなのに今までずっとミンソク君ミンソク君って…ミンソク君今なにしてるんだろ


「Aさんご飯食べません？」

『あっそうだね』

「取ったやつ袋入れましょう」

『うん』


ネコとヒツジを袋に入れて先を歩いたテウン君の後ろを追う
着いたお店はイタリアン。お店の中はご飯時とあって賑わってはいたけど直ぐ席に座れた


「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」

『うん』


注文をし終え席を離れたテウン君を見送ると椅子に置いていたネコとヒツジを袋から覗きこむ
そしてまた思い出すのはミンソク君。こんなにミンソク君が頭から離れないなんて…そう思うと頬がすこしずつ熱くなり始めた

家が一緒だから毎日会うのに、会いたくてしかたないとか重症なのだろうか。
それにテウン君といるとあの怒ったミンソク君を思い出して胸がチクリと痛くなる…
会いたいなんて言ったらミンソク君はなんて思うかな


「お待たせ」

『ううん』

「お待たせいたしました」

『わっ美味しそう！』

「本当だ」


テウン君と一緒に笑うとさっそく食べ始めた




『テウン君…ありがとう』

「全然！誘ったの僕だから気にしないで。この後どうする？」

『え？あーもう帰らないと…明日も仕事あるし』


時計の針は20時を差していて明日のことを考えると帰らなければならない


「僕寄りたいとこあるんだ」

『そうなの？』

「うん、Aさんがいないとダメなんだよね」


女の子がいないと入りずらい場所なのかな。
テウン君が口角を上げ少し強めに手を握られると引っ張られるように歩き出す
途中名前を呼ばれた気がして振り向こうとしたけど歩くのに必死で向くことが出来なかった。

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