ストロベリーホーム 2

メールの差出人 ページ21

『20番入りまーす』

「はーい」


スタッフ控え室に入ると携帯を弄ってたナリちゃんが振り向いた


「お疲れ様でーす」

『お疲れ様〜』

「今日はお客さん少ないですね」

『うん、でも棚替えしてるし良かったかも』

「そうですね〜作業してる時に呼ばれるとちょっとムーってなりますもんね」

『確かに』


鞄の中から携帯を取り出し画面を見ると一件の着信メール。すぐに開き確認すると見たことないアドレスで件名には”お久しぶりです”と書かれていた
本文にあった名前を見て目を見開く

キム テウン

なんで教えてないのに知ってるの！？その疑問にはテウン君のメールに答えが載っていた


『…ナリちゃん』

「はい？」

『テウン君にあたしのメアド教えたの？』

「テウン君？…あっあーこの前の」

『なんで？』

「テウン君が来る前にAさん帰ったじゃないですかー、テウン君番号聞き忘れたって言ってて」

『だからって…』

本人の承諾なしに勝手に？

「テウン君本当ガッカリしてたから教えたんです。Aさんいないからって2軒目行かなかったんですよー！」

『…』

「テウン君Aさんのこと気に入ったみたいでしたよ？ほら、あの男の子達一つ屋根下で〜とか言ってたじゃないですかー」

『…』

「その事もお前らが気に触るようなこと言ったんだろって」

『でも、』

「Aさんにも出会いがあったんですよぉ〜テウン君カッコいいし、ダンス教えてるんですって」

『…』

「頑張って下さいね」


そう言ったナリちゃんは休憩あがりまーす！と部屋を出て行った。
あぁ、もうなんで勝手なこと…携帯画面を見つめたままため息をつく


『でも、無視はよくないよね』


テウン君の懐っこい笑顔が浮かび上がった
当たり障りのない言葉を入力してメールを送ると1分も経たないうちに返信が着てビックリする

馴れ馴れしくない言葉遣いに絵文字が着いたメールはとてもテウン君らしい
まぁメールくらいならいっか…そう思ったあたしは再びテウン君宛にボタンを押した

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