ミンソク先生に騙されません４

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「先輩、あんまり泣かないで」

「んーごめんごめん」


A先輩は時々
ぼーっと何も見えてないみたいな目をする
すぐ隣にいても、会話をしてても、
その瞳に自分は少しも映ってないってわかる


“大丈夫ですか？”



卒業式の日から、そうだった
どこをどう見てみたって 大丈夫なはずがなかった









”ジョンデ先生には言わないで”


あの時ジョンインの前に居心地悪そうに座って
キッと睨むように俺に視線を上げた女子

1年の時、あの先輩美人じゃね？って
話題になったことがあったから知ってた

顔と、噂は 知ってた




”あんたさ、AAが好きなの？”

”あいつ、ミンソク先生に媚び売って ジョンデを取ろうとしてる男好きだよ？”



パクボラっていう
ジョンデの、ガチオタ








拍子抜けっていうか。
怒りって感情に切り替わるまでに
少なくともかなりの混乱があった


…媚び売って？
ジョンデを取ろうとしてる？
誰から？
お前から？
え、、？てか、誰だよお前
先輩はミンソクとデキてんだよ
え、まさか本当にそんな勘違いで水までぶっかけたわけ、、、？




こんなの黙ってられるはずがなかった
ブチギレないわけがなかった
ジョンインが止めなきゃぶん殴ってた
抑えきれない怒りを机にぶつけた拳の痛みも感じなかった


それでも、

ジョンデに言わないでくれたら
先輩への嫌がらせはやめるってボラが言うから
ぼろぼろ泣きながらそう言うから
俺はそれを信用した



律儀に
バカみたいに
その約束を守ったんだ






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