すのーどろっぷ (ページ43)

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終わった
全て終わった

『ごめん』

『Aちゃんとは付き合えない』

終わったんだ

『ごめんね』

なのに、規則正しく時計の針は動いて
夜は明けるし朝は来るし
カレンダーは新しい日付を告げる

塞ぎこんでいようが泣きじゃくってようが
友達からの連絡は来るわ
バイトには行かなきゃなんないわ
テストは受けなきゃなんないわ

ほんと、日常は何一つ変わらない

年まで明けた

みんな何一つ変わらない
わたしの人生が終わったっていうのに。

ユイにミンソク先輩に振られたって報告したら
『え～？！…まじかあ』って心底気まずい声を出してすぐ
『もうさ、忘れよう！よくやったよ、A。もうあんな先輩のことは忘れてさ』
『男なんて星の数ほどいるよ』って言った

どうなったのか聞いてこないジョンデには、どうせいつかは聞かれるんだしと思って自分から打ち明けた
これでもか、と目を大きくした後に、ポンポンと肩を叩かれた
『頑張ったね、A。』
『この後飲みに行こうか？明日学校もないし』
眉毛をさげて、なんとも下手くそな笑顔をつくってそう言った

どうしたって会わないわけにはならないギョンスは
ギョンスは……

『………』

泣きそうになった

何も言わずにただ隣にいるギョンスは、ほんとに気の利いたことを何も言ってこないから
涙が出た。
家で一人でいる時と同じように、馬鹿みたいに涙も鼻水も止まらなかった

『Aちゃん』

なんだったんだろう
全部、思い過ごしだったってことなんだね…
あれもこれもそれも全部
わたしの思い過ごしだったって、そういうことなんだね…

『クリスマス、一緒にどこか行きませんか？』
『いいよ』

でもさ、ちょっと、思わせぶりなんじゃない？
ちょと、酷すぎるんじゃない…？
ねえ、ミンソク先輩、、、

あれから、学校で先輩の姿を3回見かけた
いつも通り、すごくかっこよかった
いつも通り、くしゃくしゃの笑顔だった

この広いキャンパスで、ミンソク先輩をしっかり見つけてしまう自分が憎たらしかった
息をひそめて、こっちになんか全然気づかない先輩から隠れる自分が惨めで仕方なかった

『ごめんね』

存在から全部、消えてしまいたかった
ほんとに

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