すのーどろっぷ (ページ40)

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信じられなかった

テスト週間目前だってのに、講義を休んだA先輩に
何回連絡しても返事が無くて、既読すらもつかない
ただでさえクリスマスのこと、気になってるっていうのに…
浮かれすぎて家で祝杯のビールを飲み明かして
急性アルコール中毒で倒れてるんじゃないか…
さもなくばミンソク先輩の家で一夜を・・・？

夜まで待って、しびれを切らしてA先輩の家のインターホンをおした

…なんで出ないんだ？
何度鳴らしても出てこないけど窓の鍵が開いていたから家にいるのがわかって
しつこく玄関の戸を叩く

何度か繰り返すと、ようやくドアが開いた

ぬめっとした空気
前髪で顔がほぼ見えないA先輩に眉をしかめる

酒の匂いはとりあえずしないな…

「先輩どうしたの？」

「なんども連絡してるんだけど」

「具合悪いの？」

何を言っても何も返ってこない
「先輩、」

前髪を手でよけると、腫らした目をすっと伏せるA先輩の顔が覗く

瞬間、胸がざわついた

「A先輩？」

「……」

「昨日、デート行けたんだよね…？」

「ミンソク先輩来なかった…？」

まさか、そんなことないよな？

「先輩、なんで泣いたの？」

「振られた」

……振られた？

「え？」

「振られたの。ミンソク先輩に。」

言葉の意味を理解する間もなく
ガチャンとドアが閉められた

『振られたの』

耳を疑った

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