すのーどろっぷ (ページ38)

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「先輩、やっぱりわたし半分払います」

「いいって」

「でも、わたしが誘ったんですし…」

「俺のが先輩だから。」

「でも、」

「先輩面させてよ～」

「……はい」

ミンソク先輩に、じっと見られると、何でも頷きたくなるのは
なんでだろう

「ごちそうさまでした」

「はーい」

アルコールの力なのか、会った時よりも自然にすぐ隣を歩けている気がする

「きれいですね」

あの日も、とっても綺麗だと思ったけど
今日のイルミネーションは、クリスマス当日とだけあって一段と煌めいている

「そうだね」

そしてそれがとても似合う
ミンソク先輩の横顔に

先輩の隣は、寒いのも寒くない
人混みも疲れない
それに先輩の声は、この喧騒の中でも胸にすとんと届く

不思議だ。ほんとに
いつも通りのわたしなのに、
昨日までの続きの今日なのに、
映画の中に入っちゃったみたいだ

時間が過ぎるのが、あっという間だ

あんなに緊張したミンソク先輩とのデート
やっぱり断っちゃおうかとさえした念願のデート

…まだまだ終わってほしくないよ、、

「先輩、」

これも、アルコールの力なのかな

「今日、会ってくれて嬉しかったです」

なんだか、こんな大胆なことまで言えちゃうな…

いつも遠くで見てたミンソク先輩がすぐ隣で、
わたしの目を見て微笑んだ

じんわりと、好きがひろがって溶け込む

「今年ももうあっという間だね」

「はい、ほんとですよね～」

「もーすぐ卒業だな～」

…卒業
そうだね、、、

「そうですね。卒業ですね、、、」

「残りの学生生活、後悔無く遊ばなきゃなー」

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