すのーどろっぷ (ページ4)

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共通の知り合いがいるってのは
片思い道において非常に武器になる

ありがたい。非常に。

黒板が見えないから嫌だって、後ろの席に座りたがらないのに
いやいや一緒に座ってくれたことに心から感謝してる。

ほんとにほんとに、感謝してるんだ。
キャラメルを舐めながら真面目に講義を聴いてるギョンスの横顔に向かって
声にならない声で感動と感謝と興奮を思いっきり伝えた
10秒も経たずにギロリと大きな黒目を向けられて声に満たない声ですら出せなくなったわけだけど。

そして。

まだまだいくらでも軽い気持ちで語れる恋で留まっていたこの日から数週間後

これは、やばいと思った。

たとえば、
先輩に彼女がいたと知っても、
「うわ～大ショック。もう立ち直れないわ～あーーほんと好きなのに！ミンソク先輩！！」
って友達を巻き添えにした焼き肉食べ放題で
関取並みにヤケ食いしたであろうわたしは

先輩に仲良しの女がいるのを見るやいなや
「………食欲ないから、もういいや」
って、小鳥がつついたくらいの弁当の食べ残しを前にボロボロと涙を流すような女に

一瞬で大変身を遂げる

笑顔も涙も、先輩の一挙一動で簡単に浮かぶようになる
自分の意思が追いつかないところで。

要するに、

この心ぜんぶ、先輩のものになった
わたしの毎日の軸が先輩基準になった

雨の降るあの日を境に

胸が締め付けられてもういっそ嫌いになりたいと思うような
そもそも知らなければよかったんだって思うような
そんな、THE片思い人生が始まったってわけである

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