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大朝市 ページ12

中央の朝市はすでに多くの人で賑わっていた。
ミミが朝市に来るのは半年に一度。「大朝市」で自分の作った竹かごや木桶を売るためだった。

いつもの売り場に向かったミミは首を傾げた。市の端のその場所は「ミン商店」という立派な店が建っていた。
仕方なくミミはその商店の横路地に座り込み、品を広げたが、誰も立ち止まらない。
ミミが柄にもなくうなだれた時、目の前に誰か立った。

あわてて顔を上げたミミの頬に衝撃が走る。
自分が蹴られたのだと気付いたのは、頬を靴で踏みつけられた時だった。
砂利がもう片方の頬に食い込み、ミミの瞳に涙が浮かんだ。
「商売の邪魔だ。ガキは帰れ。」

地面に押し付けられる強さは弱まらず、ミミははじめて恐怖を抱いた。

こんな感情は、森で数メートル先を熊が横切った時も感じなかった。


殺される。
ミミはギュッと目を瞑った。


「やめろ。」
突然声が響き、頬に乗っていた足が勢いよくどけられた。
あわてて目を開けたミミの前で柄の悪そうな黒長靴の男が宙を舞う。


ミミが目を丸くしていると、さっと抱きかかえられた。
「え…」ミミはあっけにとられたが、その優しい抱き方に抵抗はしなかった。

その男はミミを裏路地に連れて行くとそっと下ろし、ミミの顔を覗き込んだ。
「腫れてるな。」
そう呟くと、その男は懐から取り出した布を近くの蛇口で濡らすと、そっとミミの顔にあてがった。
はじめて男の顔をしっかり見たミミは思わず顔を赤らめた。
グクの、クリクリとした瞳や可愛らしい唇とは違う、ミミを引き寄せる色気があった。

助け→←うん、おいしい。



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AULA−輝き(プロフ) - ユンギさんとテテ…。まあ友達ではありますね。いい人が見つかるといいな… (2019年4月4日 16時) (レス) id: a376a7214f (このIDを非表示/違反報告)
闇子(プロフ) - ユンギさんとテテはどうなりますか?ユンギペンなもので、気になります。 (2019年4月4日 16時) (レス) id: a376a7214f (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 面白いので、ぜひ完結してください。 (2019年4月4日 16時) (レス) id: a376a7214f (このIDを非表示/違反報告)
茜★(プロフ) - 更新待ってます!ファンタジー風だけど、すごく人物描写がいいです。 (2019年4月4日 15時) (レス) id: a376a7214f (このIDを非表示/違反報告)
りんご姫(プロフ) - 前作の得体の知れない少女と不良たちから飛んできました!素敵な作品です。 (2019年4月4日 15時) (レス) id: a376a7214f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AULA −輝き | 作成日時:2019年3月6日 13時

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