blood 2 ページ2
「大丈夫ですか？Aさん、大丈夫ですか？」
胸元にCCGと書かれた服を着た男性が数人いた。
「あ、あぁ。病院、ですか。ここは。
あの、私はどのくらい気を失っていましたか？」
「2日間です。なかなか目が覚めなくて、こちらも心配しました。」
私は気が狂って自分の腹まで刺したようである。腹の傷はそこまで酷くないようだが、気絶していた時間が長かったようだ。
「父と母は…」
死んでいなければ困る。
私の罪が暴かれる。
「大変言いづらいんだけど、もう…お二人は」
「即死、だったようです」
「そうですか」
別に何も感じなかった。とても良い両親だったのは分かっていたけれど、最近の両親は折り合いがとても悪く、父が母を殴ったりしているところも見た。
幼い頃よく私もふたりに殴られた。
何もかも背負い込む人達だったから、ストレスが多かったのだろう。
私にはその八つ当たりを与えられることがよくあったのを記憶している。
最近になってはかなり減ってきたが。
何も感じない。
むしろ背負い込んだものから解放されて良かったのではないだろうか。
自分の罪を正当化するだけではなく本当にそう感じる。
「これから、どうしますか？」
男性が心配そうに眉を寄せて私に聞く。
「これから？
もう働くしかないでしょう？」
私のこれからなどもう無いのではないか。
これからは両親の代わりに働くしかない。
「一応、貴方には政府通知の相手の鈴屋3等がいますし。
鈴屋3等と共に暮らすのも良いとは思いますが、こちらとしてはCCGのアカデミーに入るのが得策だと思いますけれど。」
あぁ、政府通知の相手の鈴屋什造がいたか。
共に暮らす？有り得ない。
男性は苦手だ。父親もそうだったから。
「アカデミーって何ですか？」
「捜査官を育てる為の施設です。喰種の被害で両親を失くした子供たちも沢山います。彼らは熱心に未来の捜査官になるために励んでいますよ。生活保護もつきますし、寮もあります。」
それだけいい条件なら、入らない訳がない。
喰種を殺すというのならもう私は躊躇することは無いだろう。
痛みもあまり感じないし、私にはなにもそれを断る理由が無い。
「分かりました、入ります」
「分かりました、私たちはこれで」
男性達は揃って外に出ていった。
「わわわわっ」
彼らが出ていった途端廊下で慌てたような声がした。
「すまない、鈴屋3等」
ドアのところを眺めていると、少女の様な白髪の小柄な人柄が顔を出す。
屈託なく笑ったその人は私に言う。
鈴「貴方がAさんです？」
続く (更新停止中)
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作者名：狂 | 作成日時：2017年10月24日 9時
