想い出

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フウカside

頼み込んでチトセが泊まってくれる事になった。

先に部屋に入ってベットに腰掛けた。
ふと、窓の外を見る。

今日は雲1つなくて、綺麗な星空が広がっていた。
窓辺に行って星を眺める。

フ「わぁ…きれい…」

風が少し冷たいけど気持ちいい
そっと目を閉じて、手紙のことを思い出した。

『どうか、前向きなお返事を…』

どうするのが正解なんだろう
話の内容的にもう目はつけられてるって事だよね

…ママにも相談するべきなのかな
正直心配はかけたくない
パパも関わるってなると余計に心配かけるに決まってる

唇をギュッと噛み締めて自分の無力さに落ちこんだ。

あたしにもっと力があれば何か変わったのかな、

考えれば考えるほど虚しくなって
気づいたら目からは大粒の涙が溢れていた。

フ「なんで、生まれて来ちゃったんだろう、」

結局誰にも必要とされてないのに

そんな思いに打ちのめされそうになっていた時
急に後ろから引っ張られて抱き締められた。

フ「…え？…チト、」
チ「何も喋らなくていい」

それだけいうとあたしをさらに強く抱きしめた。

なんだろう、安心する

あたしは押し殺していた感情が抑えきれなくて
チトセの腕の中で思いっきり泣いた。

そんなあたしをチトセはただずっと
優しく受け止めてくれた。


チトセside

フ「なんで、生まれて来ちゃったんだろう、」

あいつの部屋に入ろうとした時にそう聞こえて
思わず足を止める。

こんなこと言わせるまで
あいつは1人で抱え込んでたんだ
そんなことにも気づかないなんて、何が守るだ！

俺は自分に腹が立った。

いや、そんな暇は無い
今俺にやれることをやるんだ

泣き声を押し殺して我慢している姿を見て
いても経ってもいられず
思わず抱きしめた。

フ「…え？…チト、」
チ「何も喋らなくていい」

そう言っていっそう強く抱きしめる。

せめて今くらいは
今だけは
フウカの気持ちを楽にしてやりたい

フウカは線が切れたかのように泣き出した。

こんな華奢な体に全部1人で溜め込んでたと考えると
無力な自分が嫌になる。

チ「何も我慢しなくていいから。俺の前では素直になれ」

なにがあっても

チ「そばにいるから」

フウカだけは守りきる

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