想い出

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セ「姫様〜？朝ですよ！起きてください」

そう言いながら部屋へ入ってきたのは侍女のセシル。

フ「おはよ、セシル。言われなくてももう起きてるよ」

あたしが既に起きていることに驚いた顔をしている。
もうっ、大袈裟だなー
あたしだってもうお寝坊さんじゃないんだからねっ！

セ「そ、そうですよね！姫様も今日から高校生ですもの、早いですわ」

物思いにふけながらドレッサーの前であたしの髪を綺麗にとかしてくれる。
あたしの髪も随分と伸びたなぁ
腰まで伸びる金色に輝く髪。

昔はこの髪の色が大嫌いだった。

どこに行ってもママの綺麗な銀色の髪と瞳と比較されてきた。

それが嫌で嫌で毎晩1人で泣いてたなぁ

でも、今までの冒険の中で沢山の経験をして、その分この髪のこともパパのことも知れた。

そのお陰で今となってはこの金色の髪はあたしにとっての自慢になってる。

ほんと、色んな人に感謝だなぁ

鏡に映る自分を眺めながらそう思っていると、

セ「出来ましたよ、姫様。とっても可愛いです！」

ポンと肩に手を置いて後ろから覗き込んでそう言ってくれるセシル。

ほんとだ、三つ編みした2束がいい感じに結われている。

フ「ありがとっ！ほんと可愛い。セシルすごいね、今度やり方教えて！」
セ「えぇ、そりゃもちろんです！」

嬉しそうに微笑んで、制服です、といって高等学校の制服を渡してくれた。

わぁ、可愛い…

あたしが合格した高等学校は魔法界のなかでも1.2を争う人気を誇る偏差値が78の難関校。

魔法学校時代にらくだい魔女とも呼ばれたあたしが受かれたのはほんと奇跡だよ笑

真新しい制服に腕を通し、身なりを整える。
セシルにも手伝ってもらって荷物を準備していると、ドアをノックする音が聞こえた。

レ「私だ。入るぞ。」

威厳のある声で入ってきたのはママだった。

レ「よく眠れたか？」
フ「うんっ！ねぇ、見てママ。制服似合うかな？」
レ「あぁ、とてもよく似合っているよ」

細くて綺麗なあたしの大好きな手で頭を撫でてくれる。

最近のママは前よりかはあまり忙しい日は減ったらしい
一緒に過ごす時間が増えて以前よりもママとの仲が深まったかな

レ「さて、朝食を食べに行こう」
フ「うん、いこ！」

その後はママと楽しく会話しながら朝食をしっかりと食べた。

朝食を食べ終え、荷物を持ち玄関へ向かう。

入学式にはママも一緒に行くから先に馬車に乗って待っていた。

レ「行こうか」

「「「「行ってらっしゃいませ。」」」」

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