無意識な上目遣い ページ4
お昼になり、昼食を取りに行くニノ。
智の姿は見えない。
まだ寝てるかな？そう思いながら部屋に戻る。
箸を進め、完食し、トレーを戻しに行く。
ﾍﾟｯﾀﾗﾍﾟｯﾀﾗｶﾗｶﾗｶﾗ
音が響いてきた。振り向くと、智が点滴を押しながらゆっくり歩いてきていた。
ニノ「これから？」
智「ん。」
ｺｸﾘと頷き、両手でトレーを持ち上げ、片手で持ってもう片方の手で点滴を押そうとする智。
ニノ「あ、俺持ってくよ」
手を差し伸べる。
ﾌﾆｬﾌﾆｬと笑って、トレーを預ける智。
歩く度に智の寝癖がついた髪がフワフワと揺れる。
部屋に着き、扉を横へ引く智。
ニノがベットの机に食事を置くのを見届けて話しかける。
智「ありがと・・・、ん、ねてなくて、いいの？」
ニノ「うん、俺ね、大したことないし、もう食べ終わったんだ」
智が食べるのを見届けたくて近くの椅子に座るニノ。
しかし、ﾓｿﾞﾓｿﾞと横になってしまう智。
ニノ「どしたの？あ、具合、悪い？」
しばしの沈黙。
智「ん、なんでもない」
ニノ「眠い？それともどっか痛い？」
智「んーん・・・、さっきまで、たべようと、おもってたんらけど・・・、きゅうにいらなくなって・・・」
舌ったらずながらも、一生懸命に話す。
ニノ「そっか、大丈夫？ムリしちゃダメだよ？」
手を伸ばしてくる智。
綺麗な指。
手を握ると、少し冷たい体温が伝わってくる。
ニノ「寒くない？」
少し首を傾げ、体感を感じてみる智。
智「ちょっと、さむ・・・」
手を繋いだまま、ベットの中に手を突っ込むニノ。
ニノ「少し寝る？それとも食べさせてあげよっか？ﾝﾌﾌ」
冗談めかしたニノに、少し考える智。
智「ん、た、べる・・・」
ニノ「食べる？じゃベット起こそっか？」
智「あ、ニノ」
ニノ「ん？」
智「おいら、らぃじょ・・・、っから」
ニノ「何言ってんの、たまにはいいでしょ？」
智の無意識な上目遣い。
ニノはこの目に何度ｺﾛｯといきかけたことかわからない。
智は自分の可愛さをわかっていないと常々思う。
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
